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創刊1924年(大正13年)、通巻1000号を超えた鶏の専門誌!
国内におけるワクモの浸潤状況と防除対策の問題と試み(上)
ワクモによる利殖深刻化、労働力確保苦慮


千葉県畜産総合研究センター・村野多可子博士(医学)

 本誌にワクモの記事を三巻にわたり記載させて頂いてから約一年半が経つ。一年半も経ったのであるから、ワクモの効果的な防除方法を紹介してもらえるとの期待で、この記事をお読みになるみなさんを裏切ることになってはいけないため、最初に現状をお知らせしておきたい。今月号では国内におけるワクモの状況、来月号はワクモ寄生が卵質に及ぼす影響、ワクモ駆除に関するいくつかの試みを取り上げてみたい。
 年々増殖が盛んになってきているワクモに対する市販殺虫剤のイタチごっこのような投与により、ワクモの市販殺虫剤に対する抵抗性が全国的に出現している。特に最近ではピレスロイド系製剤に対する抵抗性が多くみられ始めだした。ピレスロイド系製剤は安全性が高いため、使用頻度も高く、海外においてもわが国と同様の使用状況であり、ヨーロッパでもここ数年ワクモに対する抵抗性の出現が問題となっている。各農場のワクモごとに効果のある殺虫剤を確認して使用することが望ましいが、現実難しい話である。
 しかし、殺虫剤は薬剤であり、また、ピレスロイド系製剤などは決して安価では無いため、散布後の観察はまめに実施して欲しい。薬剤の濃度、散布方法などを守り、散布後、一週間してワクモがすぐに発見できるような場合は、現在市販のすべての薬剤は抵抗性が生じて来たと判断して良いであろう。また、つい最近まで、カーバメイト系製剤でも効果的があったサンマコー水和剤が、市販停止になっている。サンマコー水和剤は市販停止直前まで多くの農家で効果を発していたが、ここ一年、当センターに送付されてくるワクモについて感受性を検討した所、今までに無い抵抗性の出現がみられ始めている。
(続きは1月号に掲載)