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創刊1924年(大正13年)、通巻1000号を超えた鶏の専門誌!
11月号「土佐はちきん地どり」
写真・資料提供:高知県畜産試験場
土佐はちきん地どり 「土佐はちきん地鶏」は、高知県畜産試験場が高知県原産の日本鶏をベースに2005年に開発した肉用鶏である。
 十数年前から寄せられていた高知県独自の肉用鶏を望む声に畜産試験場が応えようと、2000年末に畜産試験場、畜産課などが県庁に集い、高品質肉用鶏を開発するプロジェクトを立ち上げた。それまで行っていた予備試験のおかげで、05年度には「土佐はちきん地鶏」を開発することができた。05年8月には商標登録をしている。
 この地鶏は、土佐九斤(トサクキン)の雄と軍鶏の雌を交配してできた雄(クキンシャモ)と肉専用鶏の白色プリマスロックの雌を交配した三元交配種である(下図参照)。ちなみに「はちきん」とは、行動、思考、容姿などが元気、綺麗、働き者などの意味を込めた土佐の女性のはつらつさを表現する方言である。また「土佐九斤」よりもおよそ一斤軽い「八斤」であること、鶏王国土佐の意味として「土佐はチキン」、高知県原産日本鶏八品種、飼育密度8羽(1平方㍍当り)、飼育期間80日であることから命名された。
原種鶏の供給は同試験場が行い、今年度中に種鶏センターを設置する予定である。生産量は昨年が3600羽、今年度は15000羽を見込んでいる。飼育は同試験場が作成したマニュアルに基づき行われ、安定した品質の確保を目指している。飼育方法は平飼いである。
 飼料については、四週齢以降は抗生物質・抗菌剤無添加飼料を出荷まで給与しており、無薬飼料開発に取り組んでいる。モモ肉は程よい歯ごたえでコクがあり雑味がないので、和洋中など多くの料理に適している。ムネ肉は締まりがあり、冷凍しても解凍時にドリップが少ない。
 06年3月に発足した「高知県はちきん地鶏振興協議会」は、知名度の向上や取扱い店の拡大、生産流通体制の整備に取り組んでおり、いくつか独自の試みを行っている。その一つは、畜産試験場とデザイン関係の会社が共同で制作した「はちきん誕生物語」である。これは土佐九斤、軍鶏、白色プリマスロックから「土佐はちきん地鶏」が誕生するまでを紙芝居風に紹介するものである。専門的でありながら、開発過程が分かり易く説明されており、「土佐はちきん地鶏」に親しみが持てる等の消費者からは好評だったという。今後もこれを活用しながら、普及に役立てていきたいと考えている。このほか、はちきん地鶏のガラスープやスープを原料とした加工品開発にも力を注ぎ、まだ供給量の少ない「土佐はちきん地鶏」肉の知名度を向上させていきたいと考えているという。本格生産に向けた準備が着々と進んでいる。
(問い合わせ)
畜産試験場中小家畜課:0889-22-0044