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創刊1924年(大正13年)、通巻1000号を超えた鶏の専門誌!
穀物需給の引き締まり傾向続く
農林水産省

 農林水産省は8月31日、世界の穀物等の需給動向について公表した。これは本年度の世界の穀物等需給の短期見通しについて速報的に取りまとめ、世界の穀物の需給や生産動向が示されたものである。
以下では、その概略と主な品目別の需給見通しについて記述する。

2007年~08年度の国際需給動向

 07~08年度の穀物需給は、前年度の国際価格の上昇を背景に推移する。
供給面では、米国における大豆からトウモロコシへの作付転換などで国際的な穀物増産の動きが進んだことにより、生産量が増加した。増加量は前年度比五・一%となり世界全体の穀物生産量は過去最高となる二〇億九、一〇〇万㌧となった。
前年度減産となった小麦については、春先の黒海沿岸の干ばつと米国冬小麦産地の長雨による悪影響が懸念されたが、豪州では生産量が平年並みに回復すると予測された。
 需要面からみると穀物全体で二一億〇、四〇〇万㌧の需要が見込まれ、前年度より二・七%増加する。トウモロコシ需要が増加する一方、小麦および米の需要はほぼ横ばいで推移すると見込まれる。
 穀物全体の期末在庫は小麦を中心に前年度よりも三・八%減少し、三万一、九〇〇万㌧になる。穀物の期末在庫率は過去最も低水準とされた一九七〇年台前半を下回り、穀物需給の引き締まり傾向は依然として続いている。

トウモロコシの需給動向

 トウモロコシの需給動向は、世界全体で消費量が増加する一方、米国をはじめとした世界的な増産によって、生産量が消費量を上回ると予測された。
 トウモロコシの二〇〇七~二〇〇八年度の生産量は、欧州では減少するが、米国や中国では増加する見込みである。世界全体では、前年度より九・九%増加し、史上最高の七億七、一五〇万㌧となる。
米国では、主産地のコーンベルトにおいて作付初期に降雨による作付作業の遅れが懸念されたが、その後の天候改善に伴い単収も前年度を上回る見込みである。
中国においては、二〇〇四年から政府による農業税免除等の農民所得向上に向けた施策が実施されている中、堅調な需要を背景に前年度比二・一%の増加が見込まれる。
欧州では、主に欧州東部(ハンガリー・ルーマニア等)地域の干ばつにより前年度比一二・二%の減少が予測される。
二〇〇七~二〇〇八年度のトウモロコシの消費量は、世界的に堅調な飼料用需要のほかに、米国、中国を中心とした工業用需要の増加により、世界全体で前年度比六・二%増加し七億六、九五〇万㌧になる見込みである。
米国では、再生可能燃料であるエタノールの原料としての需要が増加傾向にある。二〇〇六~二〇〇七年度の国内消費量に占める割合は約二七%となり、前年度の一九%を上回る。
この需要増加の背景には、二〇〇五年の包括エネルギー法案により二〇一二年までの再生利用可能燃料の使用量拡大が決定されたことがある。さらに、近年の原油価格上昇による代替エネルギー需要の増加が考えられ、消費が増大する可能性がある。
中国においては、近年の国民取得の増加に伴う食の高度化による飼料需要と、エタノール原料用需要が増加しており、国内需要が増加した。
二〇〇七~二〇〇八年度の期末在庫量は、中国等で減少するものの、最大の生産国である米国で増加に転じることから世界全体でほぼ前年度なみ数値を維持すると予測された。
 米国においては、近年のトウモロコシの安値による作付意欲の減退と減産が続いたことから、エタノール仕向けを中心とした国内消費量の急増に生産の伸びが追いつかず、前年度の期末在庫水準の急激な低下を招いた。
 本年度は昨年秋からの価格上昇を背景に増産が見込まれ、期末在庫水準は回復するという。しかし、穀物の価格が低水準に下がった場合、高値で抑制されている飼料用等の需要が当初より増加する可能性も考えられることから、今後とも需要動向に注視する必要がある。
 二〇〇七年のトウモロコシの国際価格は、米国の需要増加や今夏のラニーニャ予測による農作物育成への悪影響懸念からさらに値を上げた。しかし、三月末の米国農務省の農家作付意向面積報告による作付面積増加の見込みを受けて値を下げた。さらに、六月末の作付面積報告で当初の予想以上に作付面積が増加したことからさらに値を下げた。その結果、現在は国際相場は三㌦台前半で推移している。

大豆の需要動向

 大豆の生産量は米国による大豆からトウモロコシへの作付転換により生産量が減少すると見込まれ、消費量は搾油用需要を中心に消費が拡大する。これにより、生産量が消費量を下回る見込みである。
(続きは10月号に掲載)