FC2ブログ
創刊1924年(大正13年)、通巻1000号を超えた鶏の専門誌!
フードチェーン全体でリスク低減する取り組みを
日本イーライリリー株式会社「フードチェーン・ブラインドセミナー」講演の要約講演する品川教授
生産現場、動物の医療、予防、そして、加工処理するところまでを一体にしてお互いに一緒に食品衛生というものをやっていかないと食の安全は守れない。この考え方が、今回説明する「Farm to Table」だ。
 川上から川下まで、トータルでいかに食中毒のリスクを減らすか、これが今最も議論しなくてはいけない点であることを強調して話をすすめる。
 また、この話は決してここだけのものではなく、国家機関、たとえば厚生労働省や農林水産省においても導入しようとしているビジョンである。
 厚生労働省はこれまで、O―157やカンピロバクターなどの食中毒をどう減らすか、という対策を常に考えてきたが、もはや、最も「川下」である消費段階だけでは対応できないと考え始めている。
対策の範囲は、消費の現場からスタートして生産現場に近い「川上」へと上がってきているのである。
 こうした考え方は、行政の縦割り構造にも変化を及ぼしている。最近、農水省と厚生省が食中毒に関するシンポジウムを初めて合同で行った。農水省の消費政策課が食中毒を業務の対象にしていかなければならないという認識になったからだ。
いままでは農水省が食中毒について何かするとは考えられなかったが、それが変わってきているのである。
人によって異なるリスク
 現在、食中毒の問題において大きな問題となっているのは、ノロウィルス、カンピロバクターであり、O―157、サルモネラである。
ここで問題になるのが、どれくらいの菌を食べたら食中毒になるのか、ならないのかだ。この業界に関わっている方は分かるだろうが、リスクがゼロということはありえない。とくに、生のものを食べる場合にはなおさらである。生の鶏肉を鶏刺しで食べたらカンピロバクターに、牛の生レバーを食べたらO―157に感染するリスクは常に背負っている。
リスクをゼロにはできない以上、ゼロ鶏肉、牛肉の中にO―157やカンピロバクターの菌がいてもいいのかもしれないが、食中毒になった時には社会はこれを受け入れてはくれない。(続きは9月号に掲載)