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創刊1924年(大正13年)、通巻1000号を超えた鶏の専門誌!
鶏声人語

HPAI発生と
魅力ある業界とは


採卵鶏生産者と肉用生産者から例年に比べて一か月(十月二十八日、今季初めて発生)早く高病原性鳥インフルエンザ(HPAI)の発生を見た。一方、養豚業界は豚熱の発生と戦った。人間社会はインフルエンザの流行予測と第八波のコロナ(COVID-19)発生に身構える。目に見えないウイルスに“生”が脅かされる。わが国の隣国においては、民衆の放棄によってコロナ対策が根底から覆されたことが連日報道される。また、各国政府もコロナを一般の風邪扱いにするところも現れ、マスク姿が一部の国を除いて消えた。生きる以上は“生”との斗いとなる訳だが、中小家畜(鶏、豚)の殺処分の実態を見ると、人間に生まれてよかったと感じるのは編集子だけであろうか。発生理由が偏西風斗AIとの関係性で空気感染説を語る声が強まる。発生には色々な要因が重なっていることは事実である。その元を見ると、野鳥説、昆虫説、哺乳動物説等発生要因を挙げたら数多く挙がる。AIの発生と共に若手生産者がハイリスクな業界から身を引く動きもある。この流れを止めることは至難な業であるが、魅力ある業界とは何であるかについて自問するいいチャンスである。他産業の姿は美しく見えるのかもしれない。

「鶏の研究 2023年1月号」 目次