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創刊1924年(大正13年)、通巻1000号を超えた鶏の専門誌!
鶏声人語

業界は構造的な改革の時期に到来か
国、県、業界、生産者はそれぞれの立場を考えるべき


コロナ禍が収まり、やっと光明が見えてきたと思ったら、ロシアのウクライナへの軍事侵攻が始まり情勢は先が見えない環境となった。ウクライナへの侵攻により食料品価格の値上げは過去経験したことのないほどの幅となり、その値上げ攻勢は止まることなく世界を襲う。また為替の円ドル相場は円安を付け、輸入原料価格を際限なく押し上げる。一方、中国の穀物買い付けの動きは、わが国への配合飼料価格形成に当然大きな影響を与えるだけにその動勢が注目されるところである。現実的問題として、国内の配合飼料価格は過去最高水準にまで上昇している。今年7 ~ 9 月期の配合飼料価格は、過去最高額のトン11,400 円(全農発表)の値上げとなり、飼料の値上がり分を吸収できない畜産物価格であるだけに県、国の対応策に注目が集まるところである。生産者が国、県に求めるものは決まってくるが、結論は一つである。自分の経営は自分で守ることに尽きるわけであるが、そんなに単純なものでないことは理解するが、商品価格の値上げをどのようにすれば良いのかとなる。永いスパンで考えると、構造的変化を業界全体で確立することである。また、短期的には消費者に支持される価格すなわち値頃感を見つけ出すことでもある。

「鶏の研究 2022年8月号」 目次