鶏声人語
国民への食料供給不可能な事態も
農水省は2050年までに有機農業を全農地の25%に拡大することを目指し、「みどりの食料システム戦略」を自ら実行に移すために、省内地下職員食堂を改修し、有機農産物等をメインとして使用する有機レストランをオープンした。このレストランは職員の他に、消費者への開放を行っている。また、周辺省庁にも積極的に呼びかけを行う意向のようだ。一方、参議院農林水産委員会では、みどりの法案で3名の参考人質疑が行われる等、環境に優しい農業の普及に積極的に取り組む姿勢を見せる。折しもウクライナ侵攻の影響と中国の食糧戦略の一環として不測の事態に備えて対策を講じているといわれ、食料の戦略物資としての色が強くにじみ出ている。一方、肥料の原料はロシア、ウクライナ、中国等からの輸入に依存。その原料が侵攻による影響、輸出規制、さらに世界的な肥料需要の拡大、原料価格の高騰等、負の材料が追い打ちをかける。畜産に関しても経営環境の悪化が追い打ちをかける。原料高の製品安によって、業界も致命的な状況となり、世界の原料状況から見ると、制度対応だけでは追い付かない。例年後半、7月以降、配合飼料価格は大幅に値上げするといわれるだけに、わが国の自給率低下の意味するものが表面化する。世界の食料環境悪化の意味するものを国民一人ひとりが考えなければ普通に食べてきたものが食べられなくなる、という現実を直視するべきである。
「鶏の研究 2022年7月号」 目次
国民への食料供給不可能な事態も
農水省は2050年までに有機農業を全農地の25%に拡大することを目指し、「みどりの食料システム戦略」を自ら実行に移すために、省内地下職員食堂を改修し、有機農産物等をメインとして使用する有機レストランをオープンした。このレストランは職員の他に、消費者への開放を行っている。また、周辺省庁にも積極的に呼びかけを行う意向のようだ。一方、参議院農林水産委員会では、みどりの法案で3名の参考人質疑が行われる等、環境に優しい農業の普及に積極的に取り組む姿勢を見せる。折しもウクライナ侵攻の影響と中国の食糧戦略の一環として不測の事態に備えて対策を講じているといわれ、食料の戦略物資としての色が強くにじみ出ている。一方、肥料の原料はロシア、ウクライナ、中国等からの輸入に依存。その原料が侵攻による影響、輸出規制、さらに世界的な肥料需要の拡大、原料価格の高騰等、負の材料が追い打ちをかける。畜産に関しても経営環境の悪化が追い打ちをかける。原料高の製品安によって、業界も致命的な状況となり、世界の原料状況から見ると、制度対応だけでは追い付かない。例年後半、7月以降、配合飼料価格は大幅に値上げするといわれるだけに、わが国の自給率低下の意味するものが表面化する。世界の食料環境悪化の意味するものを国民一人ひとりが考えなければ普通に食べてきたものが食べられなくなる、という現実を直視するべきである。
「鶏の研究 2022年7月号」 目次