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創刊1924年(大正13年)、通巻1000号を超えた鶏の専門誌!
鶏声人語

人間の欲との斗いか負の斗い

 業界の再編成が静かに進む。いや、音を立てているのかもしれない。見方によっては想像以上の速さで進む。考えられない価格を提示している生産者もいれば、量販店に価格を任せる白紙委任する生産者も出ていると関係者は言う。この情報を耳にした時の衝撃は想像を絶した。この背景には色々理由ははあるだろうが、需給バランスの崩れから来る負の結果であることは間違いのないことである。昔の業界人からよく耳にした言葉は“ ほどほどに” である。大変奥の深い言葉である。分かっていても対応できないのが人間であることも理解できるが、その逆もある。結果が判っていてもなんとかなるさの想いが負の方向へ走らす。資本の論理だけで一括するにはこの世の中無理が生じる。穀物相場、フレート料金等すべてが高騰している中にあって生産者自ら負の環境を除去することができることは生産コントロールの他に見当たらない。世界的環境(穀物、フレート等)を調整することが難しいとするならば、業界は何を成すべきかである。最終的には人間の欲との戦いとなる。

「鶏の研究 2022年3月号」 目次