鶏声人語
食料安全保障を他人事として捉えるな!!
食料安全保障問題は国家の重要検討課題であるが、国内産農業を軽視する動きがあった。政治家の一部には安い海外物を輸入し、国の自給率向上に目を向けず、そのツケがウクライナへのロシア侵略戦争により穀物は世界的に暴騰し、従来の発想を変えなくてはならない事態に直面した。養鶏界、特に採卵業界においては世界的穀物の高騰の影響を受け、飼料価格は暴騰した。この流れとは真逆の現象として、鳥インフルエンザの発生により、養鶏史上初めて約1700万羽の採卵鶏を殺処分しなくてはならない事態を迎え、卵価は高騰し、鳥インフルエンザの影響を受けなかった生産者は飼料価格高騰分を十分に吸収するといった変則的事態を迎えた。
安定して経営を行える環境作りの必要性を嫌という程味わった。すなわち一喜一憂する業界作りを行うのではなく、食料安全保障の立場から国家戦略を考え真剣に検討しなければ、我が国の食料は危機的状況を迎えることを、一連の流れは教える。今回の一連の問題は、政治家、行政担当者、企業、農業者・生産者、さらには消費者も食料安全保障を他人事の問題として捉えるのではなく、自分の問題として、自分だけが…といった発想を変えなければ日本の世界でも類を見ない平等的民主主義は消滅すると言っても過言ではない。
「鶏の研究 2023年8月号」 目次
食料安全保障を他人事として捉えるな!!
食料安全保障問題は国家の重要検討課題であるが、国内産農業を軽視する動きがあった。政治家の一部には安い海外物を輸入し、国の自給率向上に目を向けず、そのツケがウクライナへのロシア侵略戦争により穀物は世界的に暴騰し、従来の発想を変えなくてはならない事態に直面した。養鶏界、特に採卵業界においては世界的穀物の高騰の影響を受け、飼料価格は暴騰した。この流れとは真逆の現象として、鳥インフルエンザの発生により、養鶏史上初めて約1700万羽の採卵鶏を殺処分しなくてはならない事態を迎え、卵価は高騰し、鳥インフルエンザの影響を受けなかった生産者は飼料価格高騰分を十分に吸収するといった変則的事態を迎えた。
安定して経営を行える環境作りの必要性を嫌という程味わった。すなわち一喜一憂する業界作りを行うのではなく、食料安全保障の立場から国家戦略を考え真剣に検討しなければ、我が国の食料は危機的状況を迎えることを、一連の流れは教える。今回の一連の問題は、政治家、行政担当者、企業、農業者・生産者、さらには消費者も食料安全保障を他人事の問題として捉えるのではなく、自分の問題として、自分だけが…といった発想を変えなければ日本の世界でも類を見ない平等的民主主義は消滅すると言っても過言ではない。
「鶏の研究 2023年8月号」 目次