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創刊1924年(大正13年)、通巻1000号を超えた鶏の専門誌!
鶏声人語

異常補填の発動基準を特例的に引き下げ

 政府は物価高騰対策として今年の6 月(秋肥)から来年春肥を対象に新たな支援金の仕組みを創設し、実施する。現在の取組みを行う農業者の肥料コスト上昇分の7割を補填する。これにより、足元の肥料高騰に伴うコスト増を抑制するとともに、今般設定した2030 年化学肥料2 割低減目標の達成に向けて先行して取り組む農業者を強力に支援することで、農業のグリーン化を強力に推進する。一方、配合飼料価格の高騰対策について、飼料の高騰による畜産物の生産コストの上昇を緩和するため、官と民による基金から生産者に補填金を交付し、畜産物の価格上昇を抑制(対象四半期の輸入原料の平均価格と、その前1 年間の平均価格との差額を補填)する。また、令和3 年度補正予算において異常補填基金への230 億円の積増しを措置するとともに、総合緊急対策において、435 億円の積増しを措置した上で、令和4年度第1四半期(4~ 6 月)、第2 四半期(7 ~ 9 月)の異常補填の発動基準を特例的に引き下げるとしている。飼料コストを1 割抑制することを目標に挙げる。ここに述べて来た点は、農林水産省が7 月15 日付で「農産物生産コスト1 割減に向けて創設される新しい支援金について」である。なお、小麦およびトウモロコシの国際価格の推移についてはこの欄では未掲載とした。化学肥料および配合飼料価格の元は海外の動勢によって決まるが、今回の流れを一つのチャンスとして捉え、畜産を含む農業の総見直しの時期に来ている。

「鶏の研究 2022年9月号」 目次