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創刊1924年(大正13年)、通巻1000号を超えた鶏の専門誌!
鶏声人語

養鶏とは力の強い農業
コロナが教える今


 2020 年(令和2年)、なんと早くも新しき年を迎えようとしている。コロナによって、世界中の動きが止まった2020 年。アフターコロナ、ウイズコロナがはやり言葉のように世界中を乱舞。現在も継続している。コロナ禍によって大幅な利益を出した企業もあれば、上場企業で明治35 年創業のアパレル業界大手の企業が、東京地裁から10 月末付けで、民事再生手続きの廃止を受けるといった信じがたい動きが露呈した。この判決によって破産手続きに移行する。赤字の代名詞となったのが航空産業と鉄道であり、飲食関係であった。一方、食品関連で見ると、業務需要の大幅減落により、負の連鎖とでもいえる現象が表れている。規模が大きければ大きいほど、中小事業者は影響を強く受けている現実がある。食品業界の負の連鎖は想像以上の速さで、末端へと流れ込む。養鶏はこの流れにどのような立ち位置となっているのか。養鶏産業は生き物の上に成り立っていることを忘れてはならない。たとえ、飼育環境がシステム化されコンピューター制御で成り立っているとしてもである。周辺に大手加工産業がいたとしても。特に卵産業は畜産業界の中でも特異な立場にある。生で食する畜産物は卵をおいて他にはない。すなわち、口と直結する食材であり、生産者の意思が一つになった時、力を発揮する。強い力を持った産業であるといえる。

「鶏の研究 2020年12月号」 目次