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創刊1924年(大正13年)、通巻1000号を超えた鶏の専門誌!
鶏声人語

TPPの基本は秘密厳守ならば国民の知る権利はどこに
 TPPに関する情報が一般紙に毎日のように報道されるが、TPPの基本は秘密交渉を前提とし、参加する委員は守秘義務が課せられ一筆取られるという。「秘密」を前提としているTPPだけに、マスコミに流れてくる情報はすべて憶測記事となる。ただし委員から内々に情報が流れれば別の話であるが、現行においてはあり得ないと。各国共それぞれ国内事情を抱えての交渉参加となるだけに問題は深刻化だ。畜産関係団体で構成している日本の畜産ネットワークではTPP交渉反対運動に積極的に取り組み活動を活発化している。TPP交渉参加反対理由について①参加することによる経済効果はほとんど期待できない②経済効果の期待できない中、関税撤廃によりわが国の農業・食糧安全保障は崩壊し、ひいては地方の衰退・崩壊に繋がる③畜産物の安全・安心を損ないかねない④新自由主義のさらなる進展により、さらなる競争激化、格差社会の進展、ひいては均質で平等・安定した国の姿・文化がさらに悪化しかねない──としている。国民に対する安全を守る唯一の手段は原産国表示であり、トレースができるか否かである。また、その結果に対し、国家国民にどのように説明し、負の面が生じたならばどのように善処するかである。TPPは農業だけの問題ではないだけに、その影響は大きい。

鶏声人語

M&Aが進み垂直統合が進む流通業界 生産の壁はなくなり、資本という波は襲う
 大手量販店の系列化は進む。M&Aにより地方の専門ストアは垂直的統合(バーティカルインテグレーション)に飲み込まれる。垂直統合が進むことにより一歩一歩口座の数は減少する。一方ドラッグストアの生鮮食品部門への進出も目を見張るものがある。生鮮食品部門への進出は遅く現在も調整段階にあるが、健康と安全・安心を売るドラッグストアの生鮮部門の進出は企業イメージとして共通点があり、今後の注目株といわれ、十指に入るドラッグストアの動向は注目すべきといった声もある。一方、コンビニエンスストアは農業部門へ積極的に進出する。流通業界の農業部門の進出、さらには大手居酒屋チェーン2社がオーガニック農場と畜産物の世界に進出。他の1社は地鶏肉に取組むといった動きもある。また、JRグループの農業部門、畜産部門への進出も盛んである。農業・畜産は生産者の“もの”といった既成概念はなくなりつつある状況下、中小規模生産者の生き残れる道はますます厳しくなると同時に、他人のコピーではなく、生産者が最も苦手な独創的な発想が求められている。