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創刊1924年(大正13年)、通巻1000号を超えた鶏の専門誌!
鶏声人語

●基準を厳しくしても「信頼」がなければ意味は無し
 今年の4月より放射性物質の基準が厳しくなった食品衛生法に基づき、新基準の運用がスタートしたことは記憶に新しいところである。その一方、スーパー等では安全を前面に打ち出し、消費者心理につけこみ、自主基準で対応するなど、混乱は予想以上である。農水省はこの事態に対し、食品関係機関に過剰心理をあおらないよう通知を出す等、その対応に追われている。新基準で対応しても、一番重要かつ欠落している点は“信頼”ということになる。国が新基準に基づき、安全性を判断するようにと通知を出したところで、消費者心理としては昨年の3.11以降の国の対応のまずさ、ならびに情報コントロールによる適切な情報入手が不可能なことによる不信感がより強く、“心”にはなかなか響かない。原発事故にともない、消費者間の情報交換はシステム化されているといわれる。情報発信元は知識を持った消費者で、情報を共有し合い輪を広げているという。特に3.11以降はNPO法人の立ち上げ等により正確な情報を入手できるとも。失われた信用を回復するには一通の通達だけでは解決しない。日々の情報開示こそが解決の道である。小さな子を持つ親達はすでに行動を取っている。

●制度はあってもなかなか理解されていない現実
 なぜこんなに増羽意欲が旺盛なのか。その旺盛さは並の物ではない。一方鶏卵相場は下落し、「成鶏更新・空舎延長事業」は制度ができて初めて発動となるわけだ。制度そのものが理解されずになんだかわからないうちに進む現実。生産者が首をかしげ、なかなか理解できないでいる現実。わからないからわからないでは、この先また何があるかわからない。



・展望
 比較対象となる放射性物質の基準値公表が必要

・サルモネラ点眼用不活化ワクチンの可能性(3)(最終回)
・EUの家禽および鶏卵産業の現状と将来展望(1)
・Eggcitingな卵の研究(卵の栄養・調理・健康機能)(18)
・非定型的鶏病詳論
・養鶏事業に寄与する再生可能エネルギー導入の意義(1)
・昭和の養鶏昔ばなし(13)

<鶏界の動き>
・穀物の持続的供給に誇り~北米輸出穀物協会
・全国三四団体、600人の生産者がTPP交渉参加表明の反対を訴える
 ~日本の畜産ネットワーク
・低迷する卵価の上昇と卵業界活性化へ第一回タマリエ検定には58人の申し込み
 ~日本卵業協会
・創立五〇周年を迎え、さらなる「安全・安心」の供給を目指す
 ~全卵会

・震災・放射能汚染を受け、自然エネルギー・環境改善関連が多数出展
 ~2012NEW環境展/2012地球温暖化防止展
・世界への食糧輸出を増すブラジルへの農業投資の状況
 ~農畜産業振興機構
・飼料用酵素の添加による栄養成分の最大限の活用
 ~DSMニュートリションジャパン(株)
・外国産の肉への不安感が減少不景気感が節約志向に
 ~JC総研
・飼料用穀物では一四三種が手続き完了
 ~厚生労働省

・随想後継者難
 個人商店・経営者が生き残るために

・海外技術選集
 2012年の見通し:卵生産システムの未来