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創刊1924年(大正13年)、通巻1000号を超えた鶏の専門誌!
鶏声人語
原発の影響は国民生活を脅かす
代替エネルギーの議論が業界も必要

福島原発事故の影響は、わが国の経済そのものを脅かし、原子力発電不要論が、国民の間に浸透してきている。国の情報表示に対しても不信感が漂い、また裏に本当の情報があるのでは無いか、国民に知られたら不都合な危険因子が存在しているのでは無いか等、「~では無いか…」が国民の胸にしみわたり、原子力安全神話は神話に過ぎなくなった。一方、クリーンエネルギー、準国産エネルギーの代名詞のように宣伝されてきた原子力発電について、最近のマスコミの一部論調に高コストエネルギーといった表現が目につくようになった。どの点を捉えて言うかは別問題として、業界としても自然エネルギーの導入を真剣に考えるべき状況が迫りつつある。先進的養鶏場のなかには、自然エネルギーの代表的存在である太陽光発電を導入すべく検討したが、現状においては、経済ベースから見ると大幅な赤字となり、設置を中止している所がある。国は当然のこと検討に入っているだろうが、即生産者が導入に踏み切れるバックアップ体制を制度面から施行すべきである。また、安全・安心を求めるならば一人一人の自覚と知恵が必要となる。

家畜淘汰、補償問題を解決しなければ畜産生産者経営危機を迎える
福島県は原発警戒区域・20kmの家畜の殺処分を開始したことはマスコミ等で報道されているとおりである。殺処分は疾病等の衛生上の問題から実施するもので、5月中には終了する予定で、対象家畜は牛薬4000頭、豚約3万頭、鳥も63万羽と言われる。緊急時非難準備区域に指定されている20~30km区域では、全畜種とも大規模生産者がいるだけに問題視する声が強い。すでに大規模養鶏家では淘汰を実施した所もあるだけに補償問題をどのように講じるのか。規模が大きく経営基盤そのものを脅かすだけに、政府の早急な対応が求められる。

・展望
家畜伝染病予防法の改正が業界安定の柱に
・ブロイラー用配合飼料とその給与パターンに関する考察⑥
・Eggcitingな卵の研究(卵の栄養・調理・健康機能)⑤
・鶏の遺伝子組換え技術のこれまでとこれから⑦
・非定型的鶏病詳論⑪

<鶏界の動き>
・防疫体制を強化する
  ~平成23年度全国家畜衛生主任者会議
・家禽から野鳥へのウイルス伝搬を防ぐことが必要
 ~鶏病研究会
・国内販売シェア40%狙う
  ~㈱アイエスエージャパン
・(般)日本鶏卵生産者協会と共に新組織として始動
  ~㈳日本養鶏協会

・高病原性鳥インフルエンザの防疫
 迅速診断、摘発・淘汰が基本
  ~鶏病研究会 春季全国鶏病技術研修会
・食肉の販売以降調査の結果(23年度上期)
 輸入鶏肉、販売見通し増加傾向
  ~(独)農畜産業振興機構
・高病原性鳥インフルエンザ防疫対策マニュアル公表
 ~埋却候補地等についてもとりまとめ行う
  ~鹿児島県畜産課
・家畜伝染病予防法一部改正 手当金、全額補償
  ~農林水産省

・随想 想定外について
 指導者の役割

<海外技術選集>
・プロバイオティクスの腸内における有用性
・採卵鶏に発生する腎臓障害