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創刊1924年(大正13年)、通巻1000号を超えた鶏の専門誌!
鶏声人語
増羽意欲旺盛、20~50万羽階層13.3%。
増羽後に来るもの、業界人なら知っているが……

 農林水産省は全国鶏卵需給連絡会議を開催。調査では、増羽意欲が全飼養規模層で前年を上回り合計180万羽増えるとしている。調査回答件数は781件でその内5万羽以上が567件であった。回答者合計飼養羽数は一億1,600万羽(前年1億1,700万羽)と飼養羽数面から前年を下回ったものの高い回答率と言える。今後1年間の生産増減に関する意向については、現状維持が57.7%、未定が32.4%、増産が6%、減産が3.9%と増産が減産を上回る結果となった。増産意向の階層規模は10~20万羽が6.5%、20~50万羽が13.3%、50万羽以上が6.3%となっている。増産意向の生産者は平均で現状より3割程度増すとしている。編集子がつかんでいる数字では調査結果より大幅に増えることが予測され、とくに首都圏向け卵の流通量は増加し“島取り”はますます激しさが増すものと見られ、ただでさえ寡占化が進んでいる業界にあって、資本の争いが厳しさを増す。この傾向に誰が喜び誰が泣くかである。結果は見えている。

全農10~12月期飼料価格据え置き
末端生産者への影響も

 全農は10~12月期の配合飼料価格について円高の影響で原料コストの上昇が小幅であるとして据え置くことを決定。主原料のトウモロコシは、ロシア、ウクライナの干ばつによる影響を受け、小麦相場の急騰とそれに伴う、投機筋の資金流入、さらには、米国農務省の需給見通しで、輸出需要の増加の単収の低下による期末在庫が下方修正されたことに伴い、上昇しているのが現状である。今回の全農の据え置き発表により商系も追従するものと見られ、飼料業界の争いは一段と激化し、強弱の差が出てくることが予想され、末端への影響も当然現れてくるものと見られる。

11月号目次
・展望
若手研究者を育成することは業界繁栄のもと
・鶏における薬剤耐性菌の現状
・新たな飼料原料と最近の採卵鶏の能力・特徴について②
・非定型的鶏病詳論④
・ブロイラーの光線管理⑤(最終回)

<鶏界の動き>
・今こそ卵価の問題に向き合う時
 ~㈳日本養鶏協会 関東甲信越地域協議会
・飼料用米は新たな穀物
 ~㈳中央畜産会
・合計180万羽の飼養増の傾向
 ~全国鶏卵需給連絡会議
・飼養戸数減少も飼養規模は拡大
 ~全国ブロイラー需給連絡会議
・国毎の特定ニーズに対する育種も強化
 ~㈱ゲン・コーポレーションハイデオ事業カンパニー
・たまご券発行枚数61万枚超に
 ~全国たまご商業協同組合

・日本の畜産に科学で貢献
 ~日本イーライリリー㈱エランコアニマルヘルス事業部
・冬場の換気管理等セミナー開催
 ~日本チャンキー協会第92回技術ゼミナール
・産学交流の強化・促進を図る
 ~日本家禽学会2010年度秋季大会
・配飼価格、10~12月期据え置き
 ~JA全農
・随想 常識とセンス
 ~加藤宏光

<海外技術選集>
・ヒートストレス管理Part1 高温下における採卵鶏の反応(中)
・飼料が病原体汚染されないことが最優先事項となる(下)