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創刊1924年(大正13年)、通巻1000号を超えた鶏の専門誌!
鶏声人語
4月危機説が業界に暗い影
 1~3月の配合飼料価格は500円値下げをすることは既報の通りである。4~6月には逆に4~5,000円の値上げとの情報が流れ、4月危機説が業界に暗い影を投げる。鶏卵基金の財源は1月で枯渇し基金加入者を直撃するといった声も。一方耳を疑いたくなる情報も流れ、基金加入者にとってその情報が正しいのであれは福音となると? 消費の悪化から来る業界危機説はまことしやかに業界をかけめぐり恐怖感を煽る。昨年のある時期に大規模生産者が飼料メーカーに数十億で売却の話が一部業界筋に流れた。何が起こってもおかしくない環境にあって、2010年がやっと重い幕を明けたわけだが、静かな年になってもらいたいと思うのは業界人皆同じであるはず。今年こそ良い夢を見ませんか。

アメリカを無視しての
日本の畜産は成立しない……

 飼料原料の91%を海外に依存するわが国の畜産。その内アメリカへの依存度は90%弱、残りはオーストラリア、カナダ、中国、アルゼンチンとなり、アメリカ無視のわが国の畜産は成立しない。そのアメリカは1997年のエネルギー法で2022年までに再生可能燃料使用義務を360億ガロンを目指すとし、トウモロコシ燃料用のエタノールは150億ガロンまでとしている。アメリカで生産されるトウモロコシの3分の1がエタノールに利用される。本稿でも申し述べたが、エタノール工場は増設基調にある。一時期減ったが現在は息を吹き返しており、このまま行くとわが国の畜産構造そのものを見直す時期を迎える。基金も重要であるが、本質的問題を検討しなければ加工畜産の未来に暗い影を落とす。

(2010年2月号)




2月号目次

・展望
自己中心的な業界に救済策は無い

・ブロイラーの禁止廃棄率の改善(10)
・鶏糞堆肥の成分を調整する(2)
・健康なニワトリから健康なタマゴが生まれる(14)

<鶏界の動き>
・新採卵鶏「ノボジェン」導入決定
  ~東西産業貿易㈱
・アニマルウェルフェア普及啓発セミナー
  ~(社)畜産技術協会ほか
・販売・流通・消費者対策を視野に独自経営を
  ~(社)日本養鶏協会 関東甲信越地域協議会 
・史上最大の生産量、9,040万トンとなる見通し
  ~アメリカ大豆協会 

・2010年上期飼料価格4-6月先高感強い
  ~編集部
・供給価格500円値下げへ
  ~JA全農
・飼料用米の技術開発・最前線
  ―飼料用米の利用拡大に向けて―
  ~農林水産省
・平成22年上期
  畜産関連業界・学会・研究会・大会開催一覧表
・鶏卵一戸当り平均飼養羽数は一貫して拡大
  ~農林水産省生産局畜産部食肉鶏卵課

<海外技術選集>
・卵は申し分ない食品である
・ブロイラー雛が抱える気嚢病