創刊1924年(大正13年)、通巻1000号を超えた鶏の専門誌!
鶏声人語
すべての輸入に依存する現状
ぶれない政策が求められる
 
 わが国の鶏卵自給率は90数%、ブロイラーは60数%と業界は自慢、しかし鶏、飼料原料、鶏舎施設までもが輸入に依存している状況にあって真の自給率は数%にも満たない。畜産業界全体での飼料自給率は25%、そのなかでも中小家畜用となると大幅に下回る。そこで注目されるのが国産飼料の普及である。食用稲品種を生産する水田の作付面積は163万ヘクタール(2008年)に減少、全国で100万ヘクタール以上の生産調整水田が存在するという。また、耕作放棄地も急速に拡大、38万ヘクタールが空地の状態。適地適作ではないが、わが国には米の二毛作地帯もあり、政策の変更によっては飼料穀物の自給率向上は目に見えている。先日、奈良県で飼料米の研究会を取材したが多くの関係者が参加。水田耕作技術は世界一、環境も世界一にあって制度的な問題から輸入に依存しなくてはならない現実。わが国の農業をどの様にしようとするのか、政権が変わってもぶれない農政が求められている。

アメリカ、中国とも穀物は戦略物資
わが国はお寒い状態

 「トウモロコシが戦略物資として機能を果たしている」とは先日、アメリカの穀倉地帯を取材に行った時に強調された言葉である。一時穀物相場の下落によりエタノール工場が閉鎖されていたものの、現在では息を吹き返し、トウモロコシ畑のなかに鉄道が敷かれ、20フィート以上ある大型のオイル貨車、穀物輸送貨車がターミナルに数100メートル以上並んでいる光景を見た時に、わが国の畜産の将来に不安を感じた。穀物はアメリカ、中国とも戦略物資として、政府主導のもと対策が直接、間接的に行われている。わが国はとなるとお寒い状態である。やっと農林水産大臣が飼料米畑を視察には行ったが……。

(2009年12月号)




12月号目次

・展望
 「工場農業」と高度に進んだシステム鶏舎とは意味が違う

<養鶏技術>
・飼料米に適する専門品種(2)
・健康なニワトリから健康なタマゴが生まれる(12)
・ブロイラーの禁止廃棄率の改善(8)

<鶏界の動き>
・鶏卵の消費拡大と食育を推進
  ~ハワード・ヘルマーの会
・赤松農相、東京農業大学で飼料米視察
  ~農林水産省
・衛生チェックのための入室管理システム導入
  ~キューピー㈱
・飼料・鶏卵情勢、衛生についての情報交換行う
  ~JA東日本くみあい飼料㈱

・生活クラブ生協の国産採卵鶏の取り組み
 ~生活クラブ事業連合生活協同連合会
・MSワクチン導入により生産性改善、衛生管理費削減
 ~ゼイアック・NBI
・畜産農場HACCP認証基準公表 第Ⅱ部畜種別
 衛生管理規範(採卵鶏)
 ~農林水産省

<海外技術>
・草木はブロイラーの商業的抗生物質として機能する
・マイコトキシンパート1 今日の家禽に対する世界的な脅威(前編)