創刊1924年(大正13年)、通巻1000号を超えた鶏の専門誌!
鶏声人語
2008年から2009年へむけて業界全体が荒れ模様

 12月の声を聞き、大手生産者から前倒しの廃鶏出荷が多くなってきた。親雌処理業者の
全体的稼働率は60%くらいとみられ、急激に処理羽数の増加が予想される。南米産(チリ・
ブラジル産)ブロイラー肉は、半値以下でわが国へ輸入され、商社の中には、玉を抱えすぎ、
身動きできない状況にあるようだ。一方、鶏卵は加工筋関係が既に手当て済みの状況で、
大手生産者からの投げも加わり、市場は混乱傾向にある。この状況を危機と表現し、早急な
淘汰を荷受筋では求め、関係機関へ説明・協力要請を行っている。また孵化場筋では、
生産者が12月の高相場を見込み手形落ちのところが相当数に上り、対策に苦慮している
といった情報もあり、2008年から2009年へ向けて業界全体が荒れ模様である。12月相場が
暴落すると最悪な結果を招くといった流れがある。止市と初市が2009年を見る上での鍵となる。

技術革新と経営効率、生産効率の改善を忘れずに
 経営環境は世界的大不況による消費の大幅交代に伴い「需要に見合う生産、製造を」との
声が産業全体に響き渡り、日々刻々と変わる世界経済の流れを敏にとらえ、対策を講じている
といった産業界トップの考えが伝わってくる。また、技術革新は不況のときに始めて光を浴びる
とも言われ、積極的に対策を講じなければわが国の将来に黄色信号が点灯するとも。当然、
わが業界にも同じことが言えるわけだが、技術革新と効率改善は立ち止まってはいけない
問題である。業界は技術革新と効率改善の意味を再確認すべきである。企業は利益率よりも
利益額が重要といわれるように生産段階においても、増羽よりも、その増羽に見合えるような
技術革新と効率改善が求められる。現実に、60万羽規模の中には生産効率の改善によって
無借金の生産者がいる。問題なのは取り組む姿勢である。精神論ではなく、経営者としての
理念であり、経営力である。経営効率改善の原点は鶏舎にしかないことを忘れないでもらい
たいもの。周辺を叩く前に、自己を叩くことを忘れずに。鶏が産むのではなく経営者が卵を産む
ことも忘れずに。他力本願と被害者意識はこの業界の特徴だというが、厳しい環境というならば、
やるべきことがあるはず。100年に1回あるかないかと言われる世界大不況下、従来と同じ行動
では業界は負の方向に向かう。

(2009年1月号)
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1月号目次
<展望>
負の材料ばかりではない2009年

<養鶏技術>
・新シリーズ 健康なニワトリから健康なタマゴが生まれる1
~ニワトリがタマゴを産む構造を知る  加藤宏光

・移動禁止時におけるブロイラーの増体抑制法(下) 高橋和昭
・鶏糞セラミックスを用いたバイオセキュリティの強化 竹原一明

<鶏界の動き>
・全国のユニーク商品が集結 フードセレクション2008
・家畜糞堆肥の利用について研究会 畜産草地研究所
・九州に常設展示場をオープン 東西産業貿易
・アジアのAIの現状について情報を共有 OIE鳥インフルエンザシンポジウム
・農林水産大臣賞最優秀賞に株式会社南勢養鶏 中央畜産会
・今冬に備えAI防疫演習実施 静岡県

<鶏糞処理・悪臭対策>
焼却処理から発酵処理へ変更、良質な堆肥生産で循環型農業の確立を目指す
東北ファーム

<飼料米>
「超多収飼料米が畜産大パニックを防ぐ」シンポジウム

<海外技術>
・脚部を正常に保つことが成長に欠かせない要素
・新しいエネルギー源としてのシュガーシロップ(上)

このほか、養鶏業界の国内外の出来事などを掲載しています。