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創刊1924年(大正13年)、通巻1000号を超えた鶏の専門誌!
鶏声人語
わが業界にクレーム後の回収基準はあるか

 大手食品加工メーカー「伊藤ハム」東京工場から有害物質のトルエンが検出されたことは一般紙・TVなどで報道され、製品の回収が行われたが、ここで問題になるのが回収基準である。我われ養鶏関係を見たときに、レイヤー・ブロイラー業界で独自の回収基準を作成し、マニュアル化しているところが、どの位あるのか。回収基準以前に採卵業界で「高病原性鳥インフルエンザ発生対応基準」を作成しているところはほとんどないのが実情ではないか。また農場チェックリストを詳細に表にしているところは少ない。当然のこと回収マニュアルなるものは、特定の養鶏場を除いて存在しないのが実情と見られる。マニュアルは己を守る武器となることを肌で感じてもらいたいもの。


過去のしがらみと猿山的発想の中止を

 わが養鶏業界の主導者は民主主義教育を受けているのだろうか。民主主義の根底にあるものは少数派の意見を大切にし、組み入れながら組織を運営すべきというものである。最近の流れを見ていると「この指止まれ」的発想が目に付くことがある。自分の考えに反する相手を排除し、仲間社会を形成する。このように思うのは編集子だけであろうか。先行き不透明感漂う業界にあってなぜ業界は一つにまとまれないのか。業界の主導者の責務は、業界を一本化し、過去のしがらみを捨て未来に進むことである。このままでは次の世代に悪い影響を与え、業界活動に見向きをしなくなる。そういう声も届いていることを付記する。

(2008年12月号)

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12月号目次

<展望>
鳥インフルエンザ対応マニュアルの構築を

<養鶏技術>
・将来のために鶏用飼料はどうあるべきか?4 松下浩一
・移動禁止時におけるブロイラーの増体抑制法(上) 高橋和昭
・高病原性鳥インフルエンザの発生を未然に防ぐために 星野和久

<鶏界の動き>
・高まるアグリビジネスへの関心 アグリビジネス創出フェア
・生産性を維持することは必須条件 畜産草地研究所
・企業間の表示バラツキ是正を 日本トレーサビリティ協会
・住民投票でケージ飼育禁止に 米国カリフォルニア州

<アニマルウェルフェア>
・アニマルウェルフェアへの認識はこれから。策定プロセスを注視していきたい
・アニマルウェルフェアをめぐる行政の動き

<海外技術>
・低温殺菌された卵製品は安全記録が確定する
・世界の経済動向と鶏肉市場の今後(下)

そのほか、養鶏業界の動向等をお伝えしております。


鶏声人語 大きいことは良いことだ…を歌の世界にとどめることは不可能(?)

 九月二十六日の全国鶏卵需給連絡会議で発表された「生産量および生産意向調査」によると、50万羽以上層の増羽意欲が旺盛で、減産と回答した生産者は皆無の状態である。
 一方、増産意向件数は5万羽未満階層1.5%、減産3.9%、現状維持31.0%、未定63.3%、などとなった。規模が大きいほど、贈賄欲は旺盛となり、資本の闘いはますます激しさを増している。
 一方、鶏卵価格は予想以上に強含みに推移してきたが、荷受筋による玉余りの状況となっており、この間の相場構成に危機感を募らせる。
 大規模になればなるほど、増羽意欲は旺盛と見られ、この流れを抑えることは誰にもできないのが実情である。行き着くところまでいく、その結果は誰しもがわかっている。だけれども、止めることができない。大きいことは良いことだ…は歌の世界にとどめることができるならば、産業構造は変わる。


波は静かに、時には音を立てて業界の秩序をどのように守るか

 小規模の生産者は静かに消え去り、大規模生産者はその規模をさらに拡大する。この波は静かに時には音を立てて進む。8月に入り、この流れを裏付けるような出来事が東日本地区で起こった。足元を脅かされた業者は、この流れをなんと読めばよいのか苦慮し、編集子に問い合わせがあった。廃鶏業者、飼料メーカー、大手生産者が三つの矢となり新天地へ押しかけ、二つの矢は音無しの構えで席に着く。そして契約書にサインを求めたものの、相手側は当然のこと拒絶。この先どう展開するのか、これ以上かけないが、今後の動きに中止すべき出来事である。新たな混乱を招かないために…。


2008年11月号


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2008年11月号の目次

<展望>
AIの季節を迎え、自農場にあったマニュアルの作成を

<アニマルウェルフェア>
日本型アニマルウェルフェアのあり方を探る5
全員が納得し遵守できる指針作りを
東西産業貿易株式会社 村田良樹

<養鶏技術>
将来のために鶏用飼料はどうあるべきか?3
日本家禽学会若手技術者研修会 橘哲也

ロス308ブロイラーの最良の冬季管理方法
マイケル・ロングレイ

鶏糞処理・悪臭対策60
「鶏糞処理」ではなく「堆肥生産」を意識付け、処理過程の省力化と
減容、処理期間短縮を実現
有限会社横浜ファーム

<鶏界の動き>
・大規模になるほど増羽傾向強く―全国鶏卵需給連絡会議
・京都から世界一を目指す―ナベル新本社工場竣工式
・オーガニックチキンなど出展―オーガニックEXPO2008
・鶏卵の円滑な流通を目指す―JECI委員会

他養鶏業界に関連する情報を盛りだくさんで紹介しております。