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創刊1924年(大正13年)、通巻1000号を超えた鶏の専門誌!
鶏声人語

農水省の説明、相場が下がったのは大手生産者の増羽の結果。
税金投入は・・・ほんとうですか。


 なぜ鶏卵のみに緊急対策費がつかないのか。牛、豚には要求額プラスのものがついたのに・・・。この理由について、本誌の若手編集マンが農林水産省生産局食肉鶏卵課に取材したところ「採卵業界は大手生産者を中心に増羽した結果相場が下がった、そのようなところに税金を投入するには国民に説明がつかない。その責任は生産者にある・・・」と球を投げる。首を傾げたくなる発言である。論理的に矛盾していないか。他の畜種ではどうなのか・・・。では増羽しなかった生産者にはなんと説明する。もとはもっと奥の深いところにあると言われるがいかに。情報コントロールされていると言われる業界にあってもとを正さなければ、業界はおかしくなるとは声なき声である。真実は一つである。



スーパー団体への要請活動を

 なぜ、採卵業界団体はスーパー団体に対し値上げ要請の活動をしないのか。業界団体は誰のためにあるのか。おとなしい会員諸氏よ、声を出すべきだ。厳しい経営環境、業界の姿を代弁できないならば存在そのものを疑うべきだ。ありとあらゆる手段を講じて交渉しなければ業界は長い坂を転げ落ちる。原料高の製品安のときだ、今こそ存在感を示し行動に移すべき。



二重価格、相場は上がれどわが身に関係なし・・・

 二重価格の採卵業界。その格差は30~40円あるとは関係者の言葉。相場が200円台乗せになっても現実取引は大幅に落ち込む。生産者は声を出すべきだ。4月にはまた飼料の値上げがあると言われるだけに声を大にしないと、自然淘汰の憂き目に会うことは忘れずに。ダメもとで、声なき声を出すべきだ。業界はなぜ動かないのか、静から動へスイッチを変えるべきだ。

2008年4月号
業界の危機を訴え、500億円程度の融資制度を
飼料価格、低卵価受け業界団体

養鶏危機突破緊急全国生産者大会
日本鶏卵生産者協会(JEPA)


日本鶏卵生産者協会(JEPA・梅原宏保会長)は二月十二日、東京都港区の海運会館において、飼料価格の高騰や低卵価など昨今の養鶏をめぐる情勢の危機打開に向けた「養鶏危機突破緊急全国生産者大会」を開催した。
全国から四〇〇名超の養鶏関係者が出席し会場を埋め尽くす中、業界の危機突破に向けた議案、申し合わせ決議が全会一致で承認され、大会終了後には参加者が地元議員へ要請に回った。また、同大会には与野党の国会議員も参列し業界にエールを送った。
大会の冒頭、鶏卵生産者協会の坂本克彦副会長(坂本産業㈱代表)は「業界は今まで経験をしたことのない未曾有の危機に直面している。今こそ、力を結集し行動するべきときにきている。今回来賓としておいでいただいた政界の方々からも応援・ご指導いただけるものと確信している。また、こうした動きが消費者にも伝わることを願っている」と開会の挨拶をした。
また、梅原宏保会長(㈲西野代表)「北は北海道から南は沖縄の会員の方まで参列いただき、国会からも超党派で先生方にご列席いただいた。わが国の養鶏産業は過去四年間振り返っても大変な苦しみを味わってきたがさらに、飼料価格の高騰と低卵価という三重の苦しみを味わっている。今回ばかりはわれわれの力だけではどうしようもない。この集会を開いたのは全国の生産者が一致団結することを確認しあうことが第一目的だ。そしてわれわれの力ではどうにもならない点について国会の先生の力を借りたいということ。
国は飼料価格安定基金で対策を講じているが、この基金の支給受けたとしても過去二年間と比較して飼料は一万円以上、三〇%以上の値上げが起きており業界全体では六〇〇億円の負担がのしかかってきている。それ以外の資材の高騰など含めると負担は一、〇〇〇億円以上だ。
この負担は今後上がることはあっても下がるという見通しはない。したがって将来を考えた場合、安定供給を考えた場合には飼料自給率をあげることも考えなくてはならない。だが当面は消費者の理解を得てコストアップ分を価格に反映させていただくほかない。
日本鶏卵生産者協会は四年前に鳥インフルエンザ問題や需給安定を図ることを大きな目的として設立された。需給回復のためにわれわれ自身が積極的に取り組んでもいかなくてはならないし、大手の方々には率先して需給調整に貢献していただくことを確認しあってほしい。
われわれが努力をしても資金ショートを起こして倒産に追い込まれる可能性がある。意欲ある生産者が生き残るためにも国家保証による運転資金が必要だ。だが、この制度は都道府県農業信用協会の保証が条件となるため、十分に機能していないのが現状。したがって、国家保証による総額五〇〇億円程度の融資制度をぜひ実現していただきたい。
世界に誇れる養鶏産業が崩壊することを回避するためにも団結しあい難局打開に向けて行動したい」と挨拶した。
また出席した議員は次のとおり。細田博之衆議院議員(自民党幹事長代理)、赤城徳彦衆議院議員(自民党元農林水産大臣)、亀井静香衆議院議員(国民新党「養鶏問題に関する議員連盟」会長)、大島理森衆議院議員(自民党国会対策委員長)、前田雄吉衆議院議員(養鶏問題に関する議員連盟事務局長)松野頼久衆議院議員(民主党)、佐藤公治参議院議員(民主党)、植松恵美子参議院議員民主党。

日本鶏卵産業協会が陳情書
日本鶏卵産業協会


西川議員に直接窮状を訴える伊勢代表
 また危機突破大会に先立って日本鶏卵産業協会の伊勢彦信代表(イセ食品株式会社会長)は一月二十五日、衆議院議員会館を訪問し、昨年来続く未曾有の飼料高・燃料の暴騰で鶏卵生産コストが上昇し鶏卵生産者の経営を圧迫している窮状を訴えるため陳情書を手渡した。
(続きは4月号に掲載)
鶏声人語

中小規模生産者の協会設立の動き・・・。公取へ訴えも

 石油業界から航空業界へと公正取引委員会への不当な安売りに関する訴えは広がる。本稿で中小生産者は、大規模生産者の安売りに対し事実をつかんだ上で公取へ持ち込んではとの投げかけに対し、予想を上回る反応があった。「ダメもと」で実態を調査し、具体的に動いてみてはどうだろうか。必ず大規模生産者の間からも賛同の声は上がる。ある中規模の生産者からは、現状の流れを止められないならば、中小規模だけの協会の設立をといった意見も寄せられる。この声は、数年前からあったことを申し添える。


養鶏業者の渡り鳥への餌付け反対は理に適ったもの

 「鳥インフルエンザ懸念で渡り鳥に餌”禁止”広がる」とは一般紙のタイトルである。その内容は「ハクチョウなどでにぎわう渡り鳥の飛来地で、鳥インフルエンザ感染のきっかけになることを理由に餌付けの禁止、自粛を呼びかける動きが広がっている・・・」と。数年前に自然保護に携わっていた廃鶏業者が環境庁に餌付け禁止を訴え続けたところ、重要な観光資源ということで、取り合ってはくれなかった経緯がある。AIは渡り鳥によって持ち込まれると言われるだけに、今回の措置は理に適った動きである。


アニマルウェルフェアの理念を大切に。汚れたうわさも

 日本版アニマルウェルフェアの作業は着々と進んでいるようだ。外野から聞こえてくることは、思惑がらみの情報が多い。アニマルウェルフェアの理念は、本来汚れていないものだが・・・。アニマルウェルフェアを実施すると羽数が減少するので、今のうち規模拡大をするのだといった声は、何かの空耳なのか・・・。


2008年3月号