創刊1924年(大正13年)、通巻1000号を超えた鶏の専門誌!
金澤プリン
 イセ食品株式会社は、森の卵を使用した「金澤プリン」のインターネット販売を9月から開始した。本商品の原料は、生乳、生クリーム、森の卵、砂糖のみで、保存料は一切無添加である。割卵から蒸し上げまで手作りで仕上げている。
 種類はプレーンと抹茶がある。一個75グラム、標準小売価格はプレーン258円、抹茶278円(税込み)。
(問い合わせ)
同社マーケティング室
電話03-5824-0086
鶏糞堆肥の仕上がりにとことんこだわった処理施設づくり
株式会社ホソヤ家禽研究所

ホソヤ家禽研究所 昭和47年に設立した家禽研究所は、昭和33年に神奈川の庭先養鶏からスタートし自動給餌器の開発からメーカーとしての存在感を強めていった株式会社ホソヤの自社農場である。
 同農場はお茶で有名な静岡県にあり、周囲にも茶畑が広がる山中にある。現在育成、成鶏をあわせて約30万羽を飼養し、生産される鶏卵は生協などに流通させている。
 庭先養鶏から養鶏専門の機械メーカーとして成長してきたホソヤの農場とあって、そのシステム化された鶏糞堆肥化施設に興味を持ち取材することとなった。
ホソヤ家禽研究所 あと2年で創業50周年を迎えるという同社農場での堆肥化処理施設は国内では継続して販売されているが、近年では土地がやせている中東やヨーロッパなどを中心に海外での引き合いが強くなっているという。
 取材に立ち会っていただいたのは、今年7月にホソヤの新社長となった細谷泰社長と、同社で鶏糞醗酵処理施設を長年にわたって研究開発してきた、小松正夫所長である。
 同農場での鶏糞の堆肥化までの行程は、チェーンスクレイパーによる鶏舎からの搬出に始まり、第一次醗酵処理施設および第二次醗酵槽での醗酵に続けて、仕上げ乾燥、ふるいわけという流れになっている。以下では、それぞれの行程の概要を紹介する。

ホソヤ家禽研究所 同社の農場は東西に育雛・育成鶏舎のほか、10棟の鶏舎が並んでいる。全鶏舎について鶏糞の搬出はワイヤースクレイパーによる自動除糞で、スクレイパーは鶏舎北側に設置されており、鶏卵のルートとは鶏舎を隔てて隔離されるような構造となっている。
 毎日1回から2回すべての鶏舎で実施し、基本的に鶏舎に鶏糞を貯めないようにしている。これによって、鶏舎内での発生を防ぐほか、鶏舎環境をクリーンな状態に保っている。
(続きは11月号に掲載)
11月号「土佐はちきん地どり」
写真・資料提供:高知県畜産試験場
土佐はちきん地どり 「土佐はちきん地鶏」は、高知県畜産試験場が高知県原産の日本鶏をベースに2005年に開発した肉用鶏である。
 十数年前から寄せられていた高知県独自の肉用鶏を望む声に畜産試験場が応えようと、2000年末に畜産試験場、畜産課などが県庁に集い、高品質肉用鶏を開発するプロジェクトを立ち上げた。それまで行っていた予備試験のおかげで、05年度には「土佐はちきん地鶏」を開発することができた。05年8月には商標登録をしている。
 この地鶏は、土佐九斤(トサクキン)の雄と軍鶏の雌を交配してできた雄(クキンシャモ)と肉専用鶏の白色プリマスロックの雌を交配した三元交配種である(下図参照)。ちなみに「はちきん」とは、行動、思考、容姿などが元気、綺麗、働き者などの意味を込めた土佐の女性のはつらつさを表現する方言である。また「土佐九斤」よりもおよそ一斤軽い「八斤」であること、鶏王国土佐の意味として「土佐はチキン」、高知県原産日本鶏八品種、飼育密度8羽(1平方㍍当り)、飼育期間80日であることから命名された。
原種鶏の供給は同試験場が行い、今年度中に種鶏センターを設置する予定である。生産量は昨年が3600羽、今年度は15000羽を見込んでいる。飼育は同試験場が作成したマニュアルに基づき行われ、安定した品質の確保を目指している。飼育方法は平飼いである。
 飼料については、四週齢以降は抗生物質・抗菌剤無添加飼料を出荷まで給与しており、無薬飼料開発に取り組んでいる。モモ肉は程よい歯ごたえでコクがあり雑味がないので、和洋中など多くの料理に適している。ムネ肉は締まりがあり、冷凍しても解凍時にドリップが少ない。
 06年3月に発足した「高知県はちきん地鶏振興協議会」は、知名度の向上や取扱い店の拡大、生産流通体制の整備に取り組んでおり、いくつか独自の試みを行っている。その一つは、畜産試験場とデザイン関係の会社が共同で制作した「はちきん誕生物語」である。これは土佐九斤、軍鶏、白色プリマスロックから「土佐はちきん地鶏」が誕生するまでを紙芝居風に紹介するものである。専門的でありながら、開発過程が分かり易く説明されており、「土佐はちきん地鶏」に親しみが持てる等の消費者からは好評だったという。今後もこれを活用しながら、普及に役立てていきたいと考えている。このほか、はちきん地鶏のガラスープやスープを原料とした加工品開発にも力を注ぎ、まだ供給量の少ない「土佐はちきん地鶏」肉の知名度を向上させていきたいと考えているという。本格生産に向けた準備が着々と進んでいる。
(問い合わせ)
畜産試験場中小家畜課:0889-22-0044
アジアで常在化するウイルス、いつでも脅威に

FAOアジア・太平洋地域事務所越境性動物疾病管理緊急センター
地域調整官 ローレンス・グリーンソン


 今回は、FAOの代表として現在の鳥インフルエンザのアジアの状況、とくに東南アジア・南アジアの鳥インフルエンザの状況についてなぜ、このような状況になったのか、それを分析することにより、いかにこの状況を克服するかをお話する。
また家畜衛生の観点からどのような戦略があるのか、そしてわれわれが地域に対してどのような支援を提供しているかについて、そして最終的には鳥インフルエンザのコントロールに関する疑問点について述べたいと思う。
 これまでFAOとしても鳥インフルエンザのコントロールについては様々な活動を行ってきた。とくにこの疾病が人に対して、世界的な蔓延とないように努力してきた。
 世界に広がるこの疾病の重要な点は、家禽における蔓延をコントロールしなくてはいけないこと、そしてその疾病の深刻さを認識しなくてはいけないということだ。実際、現在の家禽における状況は、人の大流行と同じで、経済的、社会的影響度も大きい。

ウイルスの常在化が続くアジア地域
 まず、鳥インフルエンザのアジアでの広がりについてみてみる。鳥インフルエンザは最初東アジアから始まり、二〇〇五年にヨーロッパとアフリカに広がっていった。
中国で鳥インフルエンザが、もともと封じ込められていたものが、二〇〇三年に国外へとウイルスが伝播し、二〇〇五年になると東に進んで、西ヨーロッパ、ロシア、アフリカへと広がってしまったようだ。
鳥インフルエンザの現在の状況はわれわれの情報によると、不安定ながら均衡状態にあるとみている。また国によってはウイルスが常在化しているところもある。
 ウイルスはさまざまな国で存在しており、とくにアジアでは家禽産業の脅威となっているが、世界的にも公衆衛生の課題となっている。
現在、鳥インフルエンザは多くの国で大部分ウイルスについてコントロールできているが、その根絶にはいたっていないという状態だ。
(続きは11月号に掲載)
ハエ類で最も注目すべきはオオクロバエによるウイルス伝播
国立感染症研究所昆虫医科学部
澤邉京子・小林睦生


 ハエ類による病原体の機械的伝播といえば、主に口器の周り(唇弁)や脚の先(褥盤)など、ハエの体の表面に様々な病原体を付着させて飛び回る様子を想像しがちだが、本調査で対象としたクロバエ類は、動物の死体や排泄物を食餌とする習性のハエである。従って、クロバエ類による伝播を考える上で、一旦ウイルスを体内に取り込み、その後に次の動物に伝播する可能性を検討すべきではないかと考えた。そこで、鳥インフルエンザ流行時に、発生農場周辺で採集したハエ類から、個体別に消化器官(そ嚢と腸管)(図1)を摘出し、それらからのインフルエンザウイルスの検出と分離を行った。

 摘出した消化器官からRNAを抽出し、RT-PCR法に加えてより感度の高いsemi nested-PCR法により、インフルエンザウイルスの型(A型, B型, C型)と亜型(H1~H15亜型)を特定するためのマトリックスタンパク質(M)とヘマグルチニン(HA)の両遺伝子の検出を試みた。京都府丹波町で最初に鳥インフルエンザの流行が起きた農場から、約600m東の南側斜面に位置する場所(地点A,図2)で採集されたオオクロバエとケブカクロバエの各2プール(20頭から個体別に摘出した消化器官をまとめて1プールとした)のすべてからMおよびHA遺伝子断片が検出された(図3)。しかし、同地点で採集されたオオイエバエとモモグロオオイエバエからは、いずれの遺伝子も検出されなかった。得られたすべてのPCR産物に対して遺伝子解析を行い、HA遺伝子のアミノ酸配列に、病原性の強さに関わるとされる開裂部位を認めたことから、本ウイルスが強毒タイプであることを確認した。次いで、上述した発生農場からの距離が異なる3地点(A, C, F, 図2)で採集された各10頭から、個体別にウイルス遺伝子の検出を試みたところ、発生農場から600~700 m付近で採集されたオオクロバエの20%(地点A)と30%(地点F)、ケブカクロバエの20%(地点A)から、それぞれMおよびHA遺伝子断片が検出された(表1)。また、農場から東方に約2 km離れた地点Bで採集されたオオクロバエの10%も本ウイルスの遺伝子を保有していたことが明らかになった。
(続きは11月号に掲載)
AIが再発したベトナム国内のアヒルへの感染が深刻

京都産業大学鳥インフルエンザ研究センター
鳥取大学農学部付属鳥由来人獣共通感染症疫学研究センター
大槻公一


5.最近JRA施設で発生した馬インフルエンザについて

 つい最近、複数のJRA施設で馬インフルエンザが発生した。馬インフルエンザ自体一般的にはなじみが薄く、鳥インフルエンザの問題がなければあまり大きなインパクトを国民に与えることなく、メディアにも注目されなかったであろう。連日のようにメディアにとりあげられていたので、参考までに解説したい。
 馬インフルエンザは馬インフルエンザウイルス感染によって引き起こされる馬の発熱を伴う急性呼吸器病である。この馬インフルエンザウイルスが人などのほ乳類や鶏、アヒルなどの鳥類に感染する可能性は極めて低い。
 馬は呼吸器の細胞に鳥インフルエンザウイルスに感染しやすい受容体を持っていることが知られている。したがって、馬は人インフルエンザウイルスには感染を受けにくく、逆に、鳥インフルエンザウイルスに容易に感染することが分かっている。しかし、馬の正常体温は通常のほ乳類と同じ36~37℃であり、鳥類に比べはるかに低い体温である。その結果、馬インフルエンザウイルスは41~42℃が正常体温である鶏等鳥類の体内では、温度が高すぎて増殖できない。その結果、馬インフルエンザウイルスは他の種類の動物にはほとんど感染できないのではないかと考えられている(図1)。
 今回の馬インフルエンザは馬2型と呼ばれるもので、原因ウイルスの亜型はH3N8である。このウイルスは、現在北米、ヨーロッパなどに広く分布している。日本国内で飼育されているすべての競走馬は馬インフルエンザワクチンの接種を定期的に受けている。したがって、なぜ、ワクチン接種を受けている多くの馬に広範囲に馬インフルエンザの発生があったのか不思議である。
 近い将来、今回ウイルス陽性馬から分離されたウイルスの性状の詳細は報告されると思われるが、なぜ今回発生があったのか、考えられる可能性をあげてみたい。先ず、このウイルスが、競馬に関係する物件に付着して国外から持ち込まれた可能性がある。しかも、そのウイルスに抗原変異が起きており、国内の競走馬はワクチンを接種されていたにもかかわらず、発病を防ぐことができなかったのではないか。最もあり得る可能性であるが、ごく短い期間に、国内で複数の施設で発生した事実を説明するには若干無理がある。次の可能性も考えておく必要がある。
 一般的に広く使われているインフルエンザワクチンは、馬も含め不活化ワクチンである。不活化ワクチンのワクチン効果として認識されていることは、感染防止ではなく発病防止あるいは発病程度の軽減である。ワクチン接種を受けた馬は、野外の馬インフルエンザウイルスの侵襲を受けた場合、そのウイルスの感染を防ぐことはできず、体内でのウイルスの若干の増殖はあったが、典型的な馬インフルエンザの臨床症状の発現には至らなかった。そのため、関係施設には馬インフルエンザウイルスが分布し続けているにもかかわらず競走馬関係の関係者は気づいていなかった。より感度の高い診断技術ができたために、馬インフルエンザウイルスの感染があったことが判明した。1971年の大きな発生とは異なる様相を呈した。この可能性も考えられる。いずれにしても、JRAからは何らかの報告があるであろう。
(続きは11月号に掲載)
よりどころは常に「よい雛」を作ること
福田種鶏場株式会社 山上祐一郎氏
山上祐一郎氏
 岡山県岡山市にある株式会社福田種鶏場は、1931年に種鶏1000羽と2000卵入り孵卵器二台で創業して以来、76年に渡って種鶏孵卵業に特化して成長を続け、現在は、年間1600万羽のブロイラー用初生雛を販売、日本有数の種鶏孵化場となった。山上恭宏社長の父にあたる故山上茂吉氏が創業した同社は1967年には、大手商社と共同で㈱日本チャンキーを設立。現在全国に広く流通しているブロイラー専用種「チャンキー」のルーツカンパニーでもある。
 今回取材した山上祐一郎専務は山上恭宏社長の長男にあたり、現在36歳。次の世代の担い手として期待されている。
 だが、過去には家業と距離を置いた時期もあり、異業種の中でもさらに際立って異なるテレビ局に7年間勤務していた。
 ハンドボールで鍛えた体とスポーツマンらしい爽やかさ、親しみ易さが印象的な山上専務に事業継承を決意するにいたった経緯と種鶏孵卵業にかける思いを伺った。
――若い頃は家業についてはあまり興味がなかったようですが。
山上――興味がないというか、意識的に距離を置こうとしていた時期があったかもしれませんね。小さい頃から鶏舎と孵化場のそばで育ち、ヒヨコにも慣れ親しんでいました。周囲から「三代目」と呼ばれることも時々あったと思います。
(続きは11月号に掲載)
日本エコロジア株式会社

 日本エコロジア株式会社はポジティブリスト制度に完全対応したバイロハスアグリ「畜産用W」、「露地用」を発売した。
 この散布用薬剤は、ニームオイルを中心とした天然植物油と食品添加物のみで作られ、ワクモ、トリサシダニ、ウジに対して効果があるという。衛生微生物研究センターの試験によると、腸炎サルモネラ菌・ネズミチフス菌にも効果あり、飼育衛生環境を保つことも出来るとされた。
 従来の殺虫剤・殺菌剤と違い、人体・家畜に対する安全性が高く、散布時の鶏に対するストレスも軽くなっている。そして、複数の成分で構成されているために害虫が耐性を付けにくくなっているという。
 使用方法は、500倍希釈したバイロハスアグリ「畜産用W」を動力噴霧器により1平方mあたり500ml散布する。ワクモやトリサシダニ発生時には、3~5日ごとに最低3回以上繰り返し散布すると最も効果が発揮できるという。ワクモや、トリサシダニのコロニーに散布するだけでなく、鶏に寄生している場合でも直接散布が可能だという。
バイロハスアグリ「露地用」は、飼育場所全体に1平方mあたり100倍から200倍に希釈した薬剤を50ml散布することで、抗菌・消臭作用を期待できるという。フンに対して散布することによってウジの発生を抑える事ができ、殺菌作用により消臭作用も期待できるという。
バイロハスアグリ畜産用W(1L)、バイロハスアグリ露地用(1L)…希望小売価格:10080円
(問い合わせ先)
日本エコロジア株式会社
TEL03-5571-8890
穀物需給の引き締まり傾向続く
農林水産省

 農林水産省は8月31日、世界の穀物等の需給動向について公表した。これは本年度の世界の穀物等需給の短期見通しについて速報的に取りまとめ、世界の穀物の需給や生産動向が示されたものである。
以下では、その概略と主な品目別の需給見通しについて記述する。

2007年~08年度の国際需給動向

 07~08年度の穀物需給は、前年度の国際価格の上昇を背景に推移する。
供給面では、米国における大豆からトウモロコシへの作付転換などで国際的な穀物増産の動きが進んだことにより、生産量が増加した。増加量は前年度比五・一%となり世界全体の穀物生産量は過去最高となる二〇億九、一〇〇万㌧となった。
前年度減産となった小麦については、春先の黒海沿岸の干ばつと米国冬小麦産地の長雨による悪影響が懸念されたが、豪州では生産量が平年並みに回復すると予測された。
 需要面からみると穀物全体で二一億〇、四〇〇万㌧の需要が見込まれ、前年度より二・七%増加する。トウモロコシ需要が増加する一方、小麦および米の需要はほぼ横ばいで推移すると見込まれる。
 穀物全体の期末在庫は小麦を中心に前年度よりも三・八%減少し、三万一、九〇〇万㌧になる。穀物の期末在庫率は過去最も低水準とされた一九七〇年台前半を下回り、穀物需給の引き締まり傾向は依然として続いている。

トウモロコシの需給動向

 トウモロコシの需給動向は、世界全体で消費量が増加する一方、米国をはじめとした世界的な増産によって、生産量が消費量を上回ると予測された。
 トウモロコシの二〇〇七~二〇〇八年度の生産量は、欧州では減少するが、米国や中国では増加する見込みである。世界全体では、前年度より九・九%増加し、史上最高の七億七、一五〇万㌧となる。
米国では、主産地のコーンベルトにおいて作付初期に降雨による作付作業の遅れが懸念されたが、その後の天候改善に伴い単収も前年度を上回る見込みである。
中国においては、二〇〇四年から政府による農業税免除等の農民所得向上に向けた施策が実施されている中、堅調な需要を背景に前年度比二・一%の増加が見込まれる。
欧州では、主に欧州東部(ハンガリー・ルーマニア等)地域の干ばつにより前年度比一二・二%の減少が予測される。
二〇〇七~二〇〇八年度のトウモロコシの消費量は、世界的に堅調な飼料用需要のほかに、米国、中国を中心とした工業用需要の増加により、世界全体で前年度比六・二%増加し七億六、九五〇万㌧になる見込みである。
米国では、再生可能燃料であるエタノールの原料としての需要が増加傾向にある。二〇〇六~二〇〇七年度の国内消費量に占める割合は約二七%となり、前年度の一九%を上回る。
この需要増加の背景には、二〇〇五年の包括エネルギー法案により二〇一二年までの再生利用可能燃料の使用量拡大が決定されたことがある。さらに、近年の原油価格上昇による代替エネルギー需要の増加が考えられ、消費が増大する可能性がある。
中国においては、近年の国民取得の増加に伴う食の高度化による飼料需要と、エタノール原料用需要が増加しており、国内需要が増加した。
二〇〇七~二〇〇八年度の期末在庫量は、中国等で減少するものの、最大の生産国である米国で増加に転じることから世界全体でほぼ前年度なみ数値を維持すると予測された。
 米国においては、近年のトウモロコシの安値による作付意欲の減退と減産が続いたことから、エタノール仕向けを中心とした国内消費量の急増に生産の伸びが追いつかず、前年度の期末在庫水準の急激な低下を招いた。
 本年度は昨年秋からの価格上昇を背景に増産が見込まれ、期末在庫水準は回復するという。しかし、穀物の価格が低水準に下がった場合、高値で抑制されている飼料用等の需要が当初より増加する可能性も考えられることから、今後とも需要動向に注視する必要がある。
 二〇〇七年のトウモロコシの国際価格は、米国の需要増加や今夏のラニーニャ予測による農作物育成への悪影響懸念からさらに値を上げた。しかし、三月末の米国農務省の農家作付意向面積報告による作付面積増加の見込みを受けて値を下げた。さらに、六月末の作付面積報告で当初の予想以上に作付面積が増加したことからさらに値を下げた。その結果、現在は国際相場は三㌦台前半で推移している。

大豆の需要動向

 大豆の生産量は米国による大豆からトウモロコシへの作付転換により生産量が減少すると見込まれ、消費量は搾油用需要を中心に消費が拡大する。これにより、生産量が消費量を下回る見込みである。
(続きは10月号に掲載)
防疫指針は改定へ
第七回家畜衛生部会

 農林水産省は、8月24日、第七回目となる「食料・農業・農村政策審議会、家畜衛生部会」を、東京都千代田区の農林水産省飯野ビル第一会議室において開催した。
 座長に新たに櫻井敬子学習院大学法科大学院教授を向かえた同部会で、冒頭、町田勝弘消費・安全局長は「家畜衛生部会は食料・農業・農村政策審議会直属の部会となったことをお伝えする。今年一月のAIの発生については、関係各位の協力のもと、早期の解決が図られた。今後の防疫体制にも万全を期すことが必要だ。海外でのAI発生は已然続いており、水際対策、国内防疫対策の徹底を図りたい」とした。
部会では宮崎県、岡山県において発生した高病原性鳥インフルエンザを受け、特定家畜伝染病防疫指針の変更が行われることが明らかとなり、9月上旬に行われる「家きん疾病小委員会」で検討、後日同部会に報告されることとなった。

 事務局からの説明によると検討事項は以下のとおり。

①発生予防対応として、引き続き、養鶏場の管理者に対し、効果的な防鳥ネットの張り方や消毒薬の使用方法などを周知し、ウイルス侵入防止に万全を期す必要がある。
②発生の疑われる事例が報告された段階から、迅速で的確な防疫対応がお粉荒れるよう、今後も、国、都道府県、関係機関においては、十分な連携を図っていく必要がある。
③今回、補助的診断法として使用された迅速検査法(簡易キット)については、技術的知見などを参考に、通報直後の防疫対応への具体的な活用方法を明示していく必要がある。
④移動制限区域内の農場における清浄性確認検査、発生後の防疫措置に必要な疫学調査、感染経路の究明に必要な現地調査の開始時期などについては、迅速な対応を図る観点から、発生時の対応体制の整備とあわせて検討する必要がある。
⑤移動制限の提供については、蔓延防止に支障のないよう、発生後の移動制限の区域、範囲など現在規定している措置について、あらためて確認する。また、食鳥処理場、孵卵場などの扱いについては、当該施設の衛生管理方法など必要な情報をもとに、今後の効果的かつ効率的な移動制限の運用について検討する必要がある。
(続きは10月号に掲載)
液卵メーカーの需給調整機能を維持するためにも、
供給責任を意識して欲しい


イフジ産業株式会社 藤井宗徳氏
イフジ産業 藤井宗徳氏

 液卵事業者としてのイフジ産業㈱の創立は、1972年。今回取材した藤井宗徳取締役の父である、藤井徳夫社長が小さな養鶏場として出発させ、液卵の大口取引先を長期の営業努力によって得たことから、採卵養鶏から液卵をメインとした事業に転換した。その後、時代背景にマッチした同事業は順調に規模を拡大、2001年にはJASDAQに株式を上場するに至っている。
 藤井取締役は、取材中も理路整然と話を進める姿が印象的な人物で、現在進行中の「たまごニコニコ大作戦」でも自転車で旅を続ける「じょ兄。」さんの伴走を勤めるなど情熱家としての一面も持っている。
 液卵事業者という立場からみた養鶏業界は、新世代の藤井取締役にはどうみえているのだろうか。そもそもは、同社に入るつもりもなかったという同氏に話を伺ってみた。
――大学卒業後、同社に入ることは考えなかったのですか。
藤井 ええ。運輸交通関係の会社に就職を決めていたんです。
――将来の進路のことについては、何か言われるようなことは。
藤井 父には、今振り返ってみても自由奔放に育ててもらったと思っています。ですから、とくにこれといって将来のことを言われたということはないんです。というより、話していたとしても、私の方が受け流していたような部分もあるのですが。ただ一方で「男とはかくあるべき」といった精神論的なことは日々、要所で言われていました。
――ではどういったきっかけで。
(続きは10月号に掲載)
10月号「帝釈峡しゃも地鶏」
写真・資料提供:帝釈峡加工組合

帝釈峡しゃも地鶏
 「帝釈峡しゃも地鶏」は広島県神石原高原町で飼育されている地鶏である。
神石高原町にある帝釈峡は広島県北東部に位置し、日本五大名峡の一つに数えられている。帝釈峡には国の天然記念物に指定され、世界三大天然橋の一つとして知られている「雄橋(おんばし)」をはじめとして、「白雲洞」に代表される鍾乳洞などがあり、風光明媚な景勝地である。このような豊かな自然の恵を受けて、帝釈峡しゃも地鶏は飼育されている。
帝釈峡しゃも地鶏は、広島県畜産技術センターが開発した。食生活の多様化とともにグルメ志向が高まり、鶏肉も肉質などの関心が強まる中で、その要望に応える形で作出された。その後、広島県からの依頼が帝釈峡特産物加工組合にあり、その組合員が1991年から帝釈峡しゃも地鶏をヒヨコから飼育、処理、販売まで全工程を行う一貫生産を開始した。
 この地鶏は、「しゃも」と「ロードアイランドレッド種」と「ホワイトロック」の三品種を掛け合わせた三元交配種である。雛の供給は広島県畜産技術センターが種鶏の供給を行い、帝釈峡特産物加工組合の農場で種卵採取、孵化を行っている。
生産量は年間1~2万羽程度であるが、品質を維持するために「大量生産は目指さず、納得いく範囲でやっていきたい」と組合長は言う。
飼育方法はカンバニズム防止のためケージ飼いを採用しており、飼育密度は1坪当り14羽となっている。飼育期間はブロイラーの2.5倍の150日におよぶ。
飼育は広島県畜産技術センターが作成した基本マニュアルに基づき管理され、無投薬生産を行っている。健康管理はワクチンとニンニク、ビタミン等で対応している。給与している飼料は安全性を追及し、一切添加物を用いず天然原料100%のNon-GMOを使っている。
 肉質はやや赤みを帯びたアメ色であり、適度な歯ごたえと奥深い濃い味が特徴である。また、脂肪バランスも程よく実現している。冷凍品については加工時に氷温熟成するため、コクが強い点が味の特徴となっている。和食や中華など幅広い料理に対応しているが、最も人気があり味を引き出す調理法は炭火焼である。「しゃも地鶏の大串焼き」はこの地鶏の名物となっている。主な販売方法は、受注販売である。
(問い合わせ)帝釈峡加工組合 TEL:08478-6-0763