創刊1924年(大正13年)、通巻1000号を超えた鶏の専門誌!
12月号「長州赤どり」
写真・資料提供:深川養鶏農業協同組合

長州赤どり
 「長州赤どり」は深川養鶏農業組合が昭和63年に作出した地どりである。
 山口県の北西部に位置する北長門海岸国定公園をはじめ、県などの自然公園に指定されている海と山に囲まれた自然環境が豊かな長門近郊で飼育されている。
またこの地域には同業インテの進出がないという全国的に見ても稀な地域であり、そのため生産地域単位のオールイン・オールアウト方式を徹底することが可能となっている。
 雄に肉質の優れたロードアイランドレッドを交配させたシェーバーレッドブロを、雌には産肉性に富んだニューハンプシャーとロードアイランドレッドを交配させたシェーバーレッドブロを種鶏として誕生した。
 飼料については抗生物質や合成抗菌剤を使用せずに、ビタミンが豊富で肉の香りを良くする天然ハーブ入り配合飼料で育てている点が大きな特徴である。ハーブはローズマリー、タイム、セージの三種類を配合している。
 肉質については、赤みが濃く、適度な脂肪としっかりとした歯ごたえがある。たたきで食べると長州赤どりの特徴がよく出るという。このほか、ムネ肉はフライドチキンなど、モモ肉は照り焼き、ロースとチキン、ささみはサラダなど、幅広い調理方法に対応している。
 販売先は通信販売のほか、山口県内の専門店などで扱っている。
(問い合わせ)
深川養鶏農業協同組合
TEL0837-22-2121
11月号「土佐はちきん地どり」
写真・資料提供:高知県畜産試験場
土佐はちきん地どり 「土佐はちきん地鶏」は、高知県畜産試験場が高知県原産の日本鶏をベースに2005年に開発した肉用鶏である。
 十数年前から寄せられていた高知県独自の肉用鶏を望む声に畜産試験場が応えようと、2000年末に畜産試験場、畜産課などが県庁に集い、高品質肉用鶏を開発するプロジェクトを立ち上げた。それまで行っていた予備試験のおかげで、05年度には「土佐はちきん地鶏」を開発することができた。05年8月には商標登録をしている。
 この地鶏は、土佐九斤(トサクキン)の雄と軍鶏の雌を交配してできた雄(クキンシャモ)と肉専用鶏の白色プリマスロックの雌を交配した三元交配種である(下図参照)。ちなみに「はちきん」とは、行動、思考、容姿などが元気、綺麗、働き者などの意味を込めた土佐の女性のはつらつさを表現する方言である。また「土佐九斤」よりもおよそ一斤軽い「八斤」であること、鶏王国土佐の意味として「土佐はチキン」、高知県原産日本鶏八品種、飼育密度8羽(1平方㍍当り)、飼育期間80日であることから命名された。
原種鶏の供給は同試験場が行い、今年度中に種鶏センターを設置する予定である。生産量は昨年が3600羽、今年度は15000羽を見込んでいる。飼育は同試験場が作成したマニュアルに基づき行われ、安定した品質の確保を目指している。飼育方法は平飼いである。
 飼料については、四週齢以降は抗生物質・抗菌剤無添加飼料を出荷まで給与しており、無薬飼料開発に取り組んでいる。モモ肉は程よい歯ごたえでコクがあり雑味がないので、和洋中など多くの料理に適している。ムネ肉は締まりがあり、冷凍しても解凍時にドリップが少ない。
 06年3月に発足した「高知県はちきん地鶏振興協議会」は、知名度の向上や取扱い店の拡大、生産流通体制の整備に取り組んでおり、いくつか独自の試みを行っている。その一つは、畜産試験場とデザイン関係の会社が共同で制作した「はちきん誕生物語」である。これは土佐九斤、軍鶏、白色プリマスロックから「土佐はちきん地鶏」が誕生するまでを紙芝居風に紹介するものである。専門的でありながら、開発過程が分かり易く説明されており、「土佐はちきん地鶏」に親しみが持てる等の消費者からは好評だったという。今後もこれを活用しながら、普及に役立てていきたいと考えている。このほか、はちきん地鶏のガラスープやスープを原料とした加工品開発にも力を注ぎ、まだ供給量の少ない「土佐はちきん地鶏」肉の知名度を向上させていきたいと考えているという。本格生産に向けた準備が着々と進んでいる。
(問い合わせ)
畜産試験場中小家畜課:0889-22-0044
10月号「帝釈峡しゃも地鶏」
写真・資料提供:帝釈峡加工組合

帝釈峡しゃも地鶏
 「帝釈峡しゃも地鶏」は広島県神石原高原町で飼育されている地鶏である。
神石高原町にある帝釈峡は広島県北東部に位置し、日本五大名峡の一つに数えられている。帝釈峡には国の天然記念物に指定され、世界三大天然橋の一つとして知られている「雄橋(おんばし)」をはじめとして、「白雲洞」に代表される鍾乳洞などがあり、風光明媚な景勝地である。このような豊かな自然の恵を受けて、帝釈峡しゃも地鶏は飼育されている。
帝釈峡しゃも地鶏は、広島県畜産技術センターが開発した。食生活の多様化とともにグルメ志向が高まり、鶏肉も肉質などの関心が強まる中で、その要望に応える形で作出された。その後、広島県からの依頼が帝釈峡特産物加工組合にあり、その組合員が1991年から帝釈峡しゃも地鶏をヒヨコから飼育、処理、販売まで全工程を行う一貫生産を開始した。
 この地鶏は、「しゃも」と「ロードアイランドレッド種」と「ホワイトロック」の三品種を掛け合わせた三元交配種である。雛の供給は広島県畜産技術センターが種鶏の供給を行い、帝釈峡特産物加工組合の農場で種卵採取、孵化を行っている。
生産量は年間1~2万羽程度であるが、品質を維持するために「大量生産は目指さず、納得いく範囲でやっていきたい」と組合長は言う。
飼育方法はカンバニズム防止のためケージ飼いを採用しており、飼育密度は1坪当り14羽となっている。飼育期間はブロイラーの2.5倍の150日におよぶ。
飼育は広島県畜産技術センターが作成した基本マニュアルに基づき管理され、無投薬生産を行っている。健康管理はワクチンとニンニク、ビタミン等で対応している。給与している飼料は安全性を追及し、一切添加物を用いず天然原料100%のNon-GMOを使っている。
 肉質はやや赤みを帯びたアメ色であり、適度な歯ごたえと奥深い濃い味が特徴である。また、脂肪バランスも程よく実現している。冷凍品については加工時に氷温熟成するため、コクが強い点が味の特徴となっている。和食や中華など幅広い料理に対応しているが、最も人気があり味を引き出す調理法は炭火焼である。「しゃも地鶏の大串焼き」はこの地鶏の名物となっている。主な販売方法は、受注販売である。
(問い合わせ)帝釈峡加工組合 TEL:08478-6-0763
9月号「大和肉鶏」
写真・資料提供:大和肉鶏農業協同組合
大和肉鳥

「大和肉鶏」は奈良県畜産技術センター(旧奈良県畜産試験場)で作出された肉用鶏の地鶏である。大和肉鶏は、「名古屋種」、「ニューハンプシャー種」、「シャモ」の産品種を掛け合わせた三元交配種で、肉質は、赤身を帯び、適度な脂肪があり肉じまりが良い。また、旨味成分とされるイノシン酸やグルコース、グルタミン酸を多く含んでいるため、心地よい歯ごたえとともにコクの強さが特徴となっている。さらに、良質な蛋白質やビタミンAを豊富に含んでいる。
 平成十二年度には、優秀畜産表彰等事業において優良賞を受賞し、高い評価を得ている。また「奈良のブランド産品」に認証されたシールも付与されている。これは奈良特産品振興協会が選定するものであるが、奈良の農林水産物の中でも特に品質を厳選されたものだけに貼られるシールである。(続きは9月号掲載)
8月号「松風地どり」
写真・資料提供:松風地どり
松風地どり
「松風地どり」はいまや貴重種となった純粋名古屋コーチンを兵庫県三田市(さんだし)小野地区で飼育した地鶏である。鶏種は名古屋コーチンであるが、それと区別するために「松風地どり」というブランドで1987年から販売している。「松風」の名は、今から千年以上前に花山法皇がこの地で詠んだ歌から命名された。
松風地どりと名古屋地区の名古屋コーチンの一番大きな違いは、飼育環境、飼育期間、飼料のこだわりにある。
雄、雌ともにすべて名古屋市にある種鶏場から仕入れた純粋名古屋コーチンであり、四季にあわせたマニュアルに基づき、日々の観察を通じて一羽ずつ対応する飼育方法が大きな特徴となっている。
ケージ飼いは一切行わず、生後から放し飼いをする。飼育密度は1平方メートル当り7~8羽である。飼育期間は雄が190~220日(6~7か月)、雌が270日(9か月)。ちなみに名古屋地区の場合は雄、雌ともに四か月ほどとされている。飼料は植物性飼料を主体としたすべてNon-GMOの穀物を給与している。また国内に害虫を持ち込まない名目で、船内で穀類に多量の消毒が行われる「プレハーベスト」穀類も一切使用しておらず、消毒がされない「プレハーベストフリー」飼料を与えている。
(続きは8月号に掲載)
7月号「おかやま地どり」
写真・資料提供:岡山県総合畜産センター
おかやま地どりは1988年に岡山県養鶏試験場(現在の岡山県総合畜産センター)が開発したもので、ロードアイランドレッド雄と横斑プリマスロック雌を掛け合わせたゴールデンネックの雌に、劣性白色プリマスロックの雄を交配させた三元交配種である。
 特徴としては特定JASの地鶏肉規格に対応しており、飼いやすい温順な性質で、発育、飼料効率、強健性などが優れていること、また黒白横斑または茶褐色横斑の交じった美しい羽装をしていることが挙げられる。
 肉質は赤みを帯びて厚みがあり、脂肪が程よくついている。味はねばりのある適度な歯ごたえと特有のコク、風味が特徴となっている。平成17年度の食肉産業展「地鶏・銘柄鶏食味コンテストPartⅡ」では、優秀賞を授与されるなど高い評価を受けている。(続きは7月号掲載)

6月号の表紙「京地どり」
京地どり流通推進協議会・京都府畜産研究所

「京地どり」は、昭和40年くらいまで京都で親しまれ、肉が美味しい横斑プリマスロックに、全国的に肉も卵も定評のある名古屋種を掛け合わせた雌(F1ロック)を、ムネ肉やモモ肉の肉量が多く、肉質の締まった軍鶏のオスと掛け合わせた三元交配種である。
「京地どり」が生まれた背景には、消費者の食生活の多様化やいわゆる「地鶏ブーム」などから、京都府でも地元ブランドの確立に向けた動きが高まったことがある。
これを受け、京都府でも、平成二年に京都府畜産研究所で京都特有の地どりを、という声を受け開発されたのが、「京地どり」である。
現在は、「京地どり」の生産から流通販売までを担う京地どり流通推進協議会を設立し、現在年間出荷羽数は約1万5000羽となっている。
(続きは6月号に掲載)