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創刊1924年(大正13年)、通巻1000号を超えた鶏の専門誌!
鶏声人語

生きもの商売の怖さを
鳥インフルエンザは教える


 昨年から今年にかけての鳥インフルエンザの発生は西日本地域から東日本地域に飛び火し、業界全体が恐怖に襲われた。発生当初業界ではオーバーな表現をすると対岸の火事だと見ていたものが、予想以上に西日本地域の各地に拡散した。発生の勢いは、中部地域、関東地域に拡大し、その勢いは下火になるどころかさらに燃え盛る傾向にある。1 月、2 月、3 月は厳冬期を迎え発生するには好環境な時期を迎え、気を抜くことができない。鳥インフルエンザの発生は、当然物流部門にも影響を与え、売り場確保のための斗いは続く。笑いの陰に涙があり、その逆も生じているわが業界。業界に大きなアクシデントが発生しない時には驚く程の動きもないが、今回のように各地で疾病が発生すると、山が崩れ、その崩れた後地に新たな山が誕生する。生きもの商売とは病との斗いであり、一見平和で、一つことが起きると商売の怖さを教える。

「鶏の研究 2021年2月号」 目次

鶏声人語

過去味わったことの無い程の
試練を与えられるか


 自然界は人間社会に過去味わったことがない程、大きな試練を与える。100 年に一度の発生といわれる2020 年の新型コロナウイルスの人間社会への攻撃。家畜の世界では2020 年10 月から鳥インフルエンザが発症した。1 月、2 月、3 月の厳冬期を迎えるだけに気の抜けない状況が続く。コロナ、鳥インフルエンザとも対策に限界があるだけに、問題は深刻である。2021 年がどのような年になるのか、神のみぞ知るでは許されない環境下にあることは事実である。

ブロイラー業界強く、
採卵業界弱い環境


 本稿は12 月上旬に執筆しただけに、2021 年のブロイラー、鶏卵の価格について触れることは大変危険性を含んでいるが、業界の声としてブロイラー強含み、鶏卵弱含みで推移するといった見方が強い。1~3月期の飼料価格は環境からいって値上げとなる。コロナで経済そのものが痛み続けているだけに、忍耐の期間が続く。

「鶏の研究 2021年1月号」 目次

鶏声人語

養鶏とは力の強い農業
コロナが教える今


 2020 年(令和2年)、なんと早くも新しき年を迎えようとしている。コロナによって、世界中の動きが止まった2020 年。アフターコロナ、ウイズコロナがはやり言葉のように世界中を乱舞。現在も継続している。コロナ禍によって大幅な利益を出した企業もあれば、上場企業で明治35 年創業のアパレル業界大手の企業が、東京地裁から10 月末付けで、民事再生手続きの廃止を受けるといった信じがたい動きが露呈した。この判決によって破産手続きに移行する。赤字の代名詞となったのが航空産業と鉄道であり、飲食関係であった。一方、食品関連で見ると、業務需要の大幅減落により、負の連鎖とでもいえる現象が表れている。規模が大きければ大きいほど、中小事業者は影響を強く受けている現実がある。食品業界の負の連鎖は想像以上の速さで、末端へと流れ込む。養鶏はこの流れにどのような立ち位置となっているのか。養鶏産業は生き物の上に成り立っていることを忘れてはならない。たとえ、飼育環境がシステム化されコンピューター制御で成り立っているとしてもである。周辺に大手加工産業がいたとしても。特に卵産業は畜産業界の中でも特異な立場にある。生で食する畜産物は卵をおいて他にはない。すなわち、口と直結する食材であり、生産者の意思が一つになった時、力を発揮する。強い力を持った産業であるといえる。

「鶏の研究 2020年12月号」 目次


鶏声人語

AWへの質問深堀の傾向
相談窓口の設置も


 コロナの陰にかくれアニマルウェルフェアの団体から、業界への質問が投げかけられる。この現象は過去にもあったが、質問内容が深堀され、返答に困惑する企業もある。高度に進化する養鶏産業にあって、経済合理主義が横たわる矛盾点も生じている事実もある。一方では、あってはならない事も発生していることも事実。養鶏界で異口同音にいわれることは、団体からの質問を真正面から答えていくと、経済面から経営が成立しなくなると。業界の相談窓口の設置が可急的速やかに求められている。アニマルウェルフェアの団体も、攻撃的質問を良しとするのでは無く、より建設的かつ質問の内容について真実を回答し解決できるような環境整備も必要では無いか。吊し上げ的発想でいくと、人間は建設的な意見を発言できなくなる。人間にとっても、家畜にとっても幸福の環境とは何かを議論しなければ、前へは進まない。一歩一歩問題点を解決することこそが大切であると海外のAW 関係者からお知られる。弊社が25年前からオーガニック畜産の先進国を毎年視察さらに3 年前には、アメリカ、日本、ヨーロッパにAW の活動拠点を置く団体の協力を得てイギリスでAW のレクチャーを受けた。その結果は過激なものでは無く理整然とした考え方に対し共鳴した。これこそが、大切なものである。

「鶏の研究 2020年11月号」 目次

鶏声人語

静かに変動する養鶏界、
目をさませば地図は変わる


 コロナの影響とは思えないが、地殻変動は徐々に進む。その地殻変動は、採卵鶏生産部門に限らず、周辺産業でも発生し、規模的にも大きいだけに今後業界に与える影響は大きいものと推測される。過去に今回のような動きはあまり無かっただけに、今後の動静に注目が集まる。地図が当然塗り替わり、その結果、泣くのは誰かということになる。一連の動きを静かに見守ってきた編集子にとって、ただただ驚きであり、事業は生き物であることを痛感した。

養鶏業界の不況は己が招いた結果

 引きこもり需要が過ぎると相場が急変し、東西両相場とも泣き相場となり、年内泣き相場で推移するといった見方も出てきた。当然のこと、鶏卵価格安定基金の出動も終焉を迎え、最悪の事態を迎えるといった悲壮感が伝わってくる。コロナによってほとんどすべての産業がマイナス状況下だが、養鶏業界の不況は、生産者自身の問題から発生する。寡占化を世の常であり可とするならばまた別であるが。農業の中の一部門であり、国の食糧戦略上、寡占化はマイナスであるとするならば、どうすれば良いのか結論は出ている。

「鶏の研究 2020年10月号」 目次

鶏声人語

鶏卵相場8月が鍵か

 7月下旬の声を聞き卵価は下げ基調となった。先に下げ基調となったのは大阪市場で、20 日には前日の17 日に比し全農大阪Mサイズ加重平均値10 円落ちの145 円となった。一方東京は連休明けの27 日から同Mサイズ加重平均値キロ10 円落ちの145 円と大阪相場に追従した。新型コロナが騒がれだした2 月、3 月、4 月は東京、大阪両市場とも強含みに推移した。特に3月入りして、安部首相の突然の学校休校措置により鶏卵市場は急伸した。価格も弱含相場から強含み相場に転じた。すなわち「引きこもり需要」による好相場となり、予測不可能な展開となった。5 月に入ると休校措置も終り、鶏卵価格は軟弱となり、以降下落相場となった。鶏卵は市場に溢れ荷受筋によると業務筋では年内一杯在庫を抱えていると…。新型コロナはまだ終わりを迎えないだけに、コロナの発生状況如何によっては相場の影響もあるといわれる。8 月の相場形成は年内の動きを見る上で重要になるといった見方もある。

「鶏の研究 2020年9月号」 目次

鶏声人語

コロナショックは人に生きる道を教える

 新型コロナウイルスの蔓延によって、生活環境は一変した。その一番大きな影響を受けたのが教育現場である。一方、経済界は大手企業を中心とする働き方改革にともなう自宅でのウェブによる業務となった。自宅での業務拡大にともない事務所の位置付面で変革がおこり、都心のオフィスビルの空が目につき、事務所スペースの縮小化が徐々に進みだし、働く環境を見なおす動きがでて来たことも事実である。その反面、第1次産業においては働き手不足による不況産業からのダブルウァキングに近い労働力の有効的調整が進みだしたところもある。小中学校の休校により、プラスに動いた産業もある。それが養鶏産業であるといっても過言では無い。ひきこもり需要にともなう相場面への影響は予想を上回った。その一方では外食産業の営業活動自粛にともない割卵等業務需要の低下等があり、経済全体として見るならば負の結果を迎き、本格的な影響があらわれるのは、これからだと。この先どうなるのか、第2次、第3次の波がこないことを祈るばかりである。

「鶏の研究 2020年8月号」 目次
鶏声人語

動かないづくめの環境下、強い指導者の出現を

 新型コロナ後の日本の食はどうなるのか…。教育は…。経済活動は…。日本の文化は等すべての活動が停止するといった異常事態を迎えた。目に見えぬ新型コロナウイルスによる世界の社会構造は大変革を余儀なくされている。誰もが過去経験したことのない暗いトンネルを進んでいる。消えては再発する新型コロナウイルス。人間の英知とコロナウイルスとの根比べ。世界はワクチン開発と治療薬の開発にしのぎを削り、その間も感染者数は増え続ける。アフターコロナ・ウィズコロナ、先行不透明感から消費者は時の流れを静観する。その結果、消費は低迷する。政府が金をジャブジャブ投入しても消費者は動かない。インフラが停止している状況下物流も動かない。動かないづくめである。循環機能がはたらいてこそ経済は前進する。消費者が動かないということは、先行経済への不安と、政治への不信さらには行政への不信が根底にあることをわすれてはならない。誰もが経験したことの無い環境下強い筋の通った指導者が今求められている。

「鶏の研究 2020年7月号」 目次

鶏声人語

労働力減少とアフターコロナの養鶏産業

 総務省は2019 年10 月1 日現在の人口推計をこのほど発表した。総人口は2018年10 月に比し、27 万6,000 人少ない1 億2,616 万7,000 人となった。なお、その数値には外国人も含まれている。すなわち人口減少は年々進み、将来的に労働人口の減少による産業界全体への影響は大で、今以上に厳しい環境になることは目に見えている。国は労働人口減少に少しでも歯止めを掛けるために退職年齢の引き上げ等改善すべき策を講じてはいるものの、抜本的対策には繋がっていないのが実情である。今回のコロナウイルス禍でも露呈したが、外国からの技能実習生がわが国へ入国できず、農業界への影響が大きいことは、コロナウイルス禍の影に隠れて一般マスコミに大きく取り上げられないが、各部門で深刻な問題になっている。アフターコロナの流れに対し、産業構造の総見直しが求められている。何が発生してもおかしくない環境下、情報収集力が企業存立の鍵を握ることになる。

廃鶏処理と鶏糞処理問題は経営に影響
 東南アジアへの鶏糞の輸出先に異変が生じていると関係者は言う。従来輸出していた国への出荷が停止される等、措置が講じられていると…。それに伴いその余波が国内の園芸店へと及び、従来の物流の流れに変化が生じている。鶏糞処理と廃鶏処理は一歩間違えると経営そのものに影響を及ぼすだけに深刻だ。規模拡大と終末処理問題は、プラスとマイナスの関係だけに、バランスが崩れると、産業界に与える影響は大であるだけに、流れを冷静につかむ必要がある。

「鶏の研究 2020年6月号」 目次

鶏声人語

災害相場を業界は
喜んでいられない

 鶏卵相場が予想以上の強含みに推移している。3 月の声を聞き、3 日から26 日まで全農東京M サイズ加重平均値キロ197 円と持ち合いで推移し、27 日に入り202 円と5 円上伸した。一方大阪においても3 月1 日全農大阪M サイズ加重平均値キロ185円で開始、3 日には10 円上げのキロ195円が25 日まで続き、27 日は200 円代乗せとなる等、強含み相場構成となった。令和2 年1 月の全農東京M サイズ加重平均はキロ170 円、2 月179.7 円と徐々に上伸。3月は前述したようにさらに上げ、キロ202円相場構成となった。この流れについて関係者によると、自然災害相場で異常相場だという。一方、畜産物の中でブランド牛の黒毛和牛の消費が急激に落ち、食構造のいびつさが前面に出たという。すなわち黒毛和牛は家庭では消費されず、接待時に高級食材として使用されてきた。今回のコロナ事件によって、誰もが使用できる幅の広い食材は卵であることが、立証された。


「鶏の研究 2020年5月号」 目次



鶏声人語

有機畜産物の指定農林物資化
遅すぎた春

 畜糞の認定について有機JAS認証機関が検討に入り出したという。関係者によると海外の状況について情報収集に入り、具体的な動きを取り出したとも。有機畜糞の認定商品がEUでは市場に出回っており、編集子がイタリアを訪問した時に、有機農産物の圃場に認定された畜糞を散布するのは当然のことで、日本ではどうなっているのかと質問された時、閉口した。わが国では、畜糞の認証の言葉すらなく、このまま推移すると、有機農産物は市場から消える危険性すらあると感じたのは編集子の浅学のためだったのかと。一方、有機種子も同様で、畜糞よりも早くから認証された種子が市場に出回っており、わが国では、今まで検討すらされず、関係者によると、やっと検討することを考え出した段階だという。有機畜産物が今年7月から指定農林物資になるだけに、有機畜糞の市場出回りは数年いや数十年先になるのかもしれない。有機種子の認証は、種の保存の観点からも早急に検討すべき時期に来ている。

「鶏の研究 2020年3月号」 目次

鶏声人語

2020 年は終末処理の解決が鍵

 2020 年の養鶏界は鶏糞問題に始まり、鶏糞問題で終るとは業界人が異口同音に言う。住民とのトラブルは各地域で発生し、法的には問題解決をしているが、抜本的問題解決には至っていないのが実情である。各種情報が編集部に入って来るが、問題解決に至っていない。今後わが国で養鶏経営をおこなって行く上で業界が取り組んでいかなければならない最重要課題は、鶏糞処理と廃鶏処理問題である。すなわち、終末処理を抜本的に解決しなければわが国の養鶏はオーバーな言い方をするならば幕引きを余儀なくされる。地域社会における養鶏業界の雇用は上位にランクされているだけに、養鶏産業のあるべき道を業界全体で検討すべきである。鶏糞の輸出先であるベトナムを中心とする東南アジアでは、受け入れを拒否するところも出て来た。一方、廃鶏においても同様の傾向にある。廃鶏の輸出は鶏糞の輸出と違い、国内で鶏インフルエンザが発生するとストップをかけられる事実がある。養鶏業界の規模が拡大すればするほど問題は深刻化する。両部門とも、東南アジアを中心に構成されているとするならば本質的問題解決にならない。

「鶏の研究 2020年1月号」 目次
鶏声人語

AW問題への質問が多い令和元年の動き

 時代の反映なのか最近多くなった質問内容がアニマルウェルフェア問題で①アニマルウェルフェアは、人間にとって真に重要なのか②消費者団体の一部の人達はアニマルウェルフェアについて理解しているのだろうか、一般消費者はどうなのか③家族、従業員からアニマルウェルフェアで飼育生産された玉子は〝安全〟なのかと問われた時に〝安全〟と〝安心〟のどちらを答えれば良いのか、またその論拠と裏付けは④わが国のアニマルウェルフェアの推進団体と各団体の性格等々多岐にわたる。また、今年の後半位からSDGs- - 持続可能な開発目標- は業界にどの様な型で影響を及ぼそうとしているのかといった質問も上がって来る。10 月の声を聞いて一番多いのが、台風15 号及び19 号の養鶏界の被害状況はといった相場へ直接影響を与えただけに注視しているようだ。また、商品相場に直接影響を与えただけに先行きに期待感を持つ生産者が多いことも事実である。低迷相場で終わることが予想されてただけに今回の台風は、泣きと笑いをわけた型となった。2019 年も終わりに近づいて来ただけにこれからの動きに視線が集まる。


鶏声人語

自然災害後の養鶏産業、第1次産業の域を出ない 

 台風15 号は養鶏主産地千葉県の農業、畜産業に多大な被害を与えた。養鶏関係では鶏舎関連施設の倒壊等の他に停電による第2 次被害の発生、さらには従業員の家屋が被害を受け勤務先への通勤が不可能といった予想以上の被害を被った。被害の状況は徐々に明らかになってはきたが、全体を通しての情報は未収計の状況下にある。情報収集の前に現状復帰作業に追われているのが実情。この世は非情というか皮肉なことに自然災害発生後に相場は上伸する。過去数年間の流れを見ると、鶏インフルエンザの発生後の養鶏と台風による被害後の業界で上伸した。第1 次産業の宿命なのかもしれない。自然災害は地球温暖化の影響を受け、その被害はより拡大し被害を被らない地域はないといっても過言ではない。個人の力だけでは対応できないぐらいに自然災害の規模は拡大する。経験値だけでは解釈できなくなったことを、今回の15号台風は教える。

鶏声人語

着実に前進するJAS
次の一歩がまた始まる 


8月上旬、東京・新宿でオーガニックの展示会が開催された。今年は会場の都合上展示会への参加者は、事務局発表では約18,000 人とのこと。参加者で目についたのが若い世代で着実に増え世代交代の波が押し寄せていることを肌で感じた。また、有機農産物、加工食品、畜産物等有機認定商品の数が大幅に増えたことに驚きであったと同時になかには首をかしげたくなる商品も散見できた。オーガニックコスメ、オーガニックコットン等有機JAS 商品とは異にするものも数多く出展され、若い層を中心に参加者が多かったのも事実である。一方、有機JAS 商品を買いに来ていた中高年の女性に取材したところ、「この様な展示会に来たのは初めてで、大豆アレルギーが強く、アレルギー源のない商品を捜しに来たところ、見つけることができた。もっと有機JAS マークのついた商品をマスコミに情報を流すべき」といった声もあり、知らぬ恐さを肌で感じた。JAS法が改正され、新たなJAS規格が誕生するなど「JAS」は消費者、産業界にとって目が離せなくなった。


鶏声人語

このまま進むと需給失調はさらに進む

 業界の誰もが平然と云う。現在の相場を迎え入れたのは、だれの責任でもなく養鶏家いや人間の欲の結果であると。低迷相場が来ると分かっていても欲を抑えることのできない事実。いや、羽数こそ命とでもおもっているのかもしれない。わかっているけど止められない何かがある。歌謡曲の詞であるならば笑っていられるが…。経営になると別の問題。ここに来て後半はさらに一段下げもといった声も入る。誰が喜ぶかである。末端価格は下がらず強含み価格で店頭にならぶ。力あるものが勝つとは世の常識なのかもしれないが、非常識さがもとめられる今日今頃である。資本論理だからでは説明できない人間の何かが奥に横たわるような気がする。寡占化が進む業界にあって、昭和38年の総合農政施行時を思い出す。国の養鶏施策によって今の産業が成りたって来たことを。急激に進む老人社会を迎え、人口減少のまっただ中にいる日本。今のままで進むともっと大きな需給失調を迎えるとは天の声である。

鶏声人語

〝美しき調和〟と 〝欲〟との斗いか 
平成から令和へ


 平成から令和に変わり新元号を迎えた。一方、業界は同じパターンを繰り返す。年内の大手を中心とする生産者の増羽は止まらず、その裏では10~30万羽クラスの生産者が業界から身を引く動きが、業界関係者の間から伝わってくる。一方、アニマルウェルフェア(以下AW)の動きは表面的には鈍いように映るが、着々と業界に侵透する。昨年後半ぐらいから、小規模生産者を抱き込むような形で静かに入り込む。外国系動物福祉団体は過激な行動を取らず、先を見据えた活動を幅広い形で展開する。その反面、AWの否定論者の動きは遅い。戦略の差なのか不明であるが。一方では、大手生産者の中にはAW委員会を社内に設け独自の行動を取る。平成から令和へ、激動の時代を迎えるのか、それとも品格ある平和な時代を迎えることができるのか、その鍵は大手生産者の〝欲〟との斗いである。美しき調和とはほど遠い現実。

鶏声人語

行き場のなくなった玉はバッタ屋へ
遠くへ遠くへと玉は流れる


 平成30 年度の成鶏更新・空舎延長事業は、平成31年3 月31日をもって対象となる成鶏の出荷期間が終了した。この後は卵価安定基金へとスイッチされるわけだが、厳しい風は吹き荒れる。年間生産量は通常ならば250 万トン、それをオーバーした270万トンとなると、約20トンの玉の行き場がなくなる。これをどこでどうやって処理するのか、注目が集まるところである。これはブロイラーも同じである。産業廃棄物とし出荷するのか、バッタ屋に依頼するのか等々…。現実にバッタ屋に玉は流れ、遠方で販売されているといった情報がある。バッタ屋は今までになく強気の商いをするとも。また情報が独り歩きし、より具体的な親雌業者の在庫トン数まで耳に入る。国内が最悪な状況になっている折、日鶏協ニュースによると、「2 月に日本から輸出した鶏卵が台湾で実施した残留農薬検査で基準値をオーバーしたために輸入差し止めとなった」「問題となった農薬はワクモ駆除に使用されているもので、輸出相手国の残留農薬基準をクリアできない」と。活路を求め海外への輸出となったものが裏目に出る現実。国内の生産過剰と海外の輸入差し止めとなると、業界の先がますます見えなくなってくる。


鶏声人語

科学的論議が求められるAW 問題

 アニマルウェルフェア(以下AW)の海外機関による国内への浸透が静かに進行している。その団体に協力する業界関係者もいるといわれ、隠れ…ならぬ隠れAW同調者が増えているとも。AWは大動物の世界にも新たな動きが出ており、畜産専門大学の研究者によって認定機関が立ち上がり、大家畜の認定を取得した生産者もいる。大家畜の後は中小家畜への認定へ進むと当事者から直接話を聞いた。業界はアンケート調査、行政への働きかけを活発化している。各種動きは加速化すると見られるが、加速化するAW問題に対し科学的な論議が求められている。科学的論議は民主主義の根幹をなす。

活発化する畜産展示会、産業のバロメーターに

 中小家畜の祭典・VIV Asiaがタイ バンコクで開催される。動員数、出展社数共に過去最高を数えるとも。日本国内においては昨年IPPSが名古屋で開催された。展示会の規模はその産業のバロメーターといわれるだけに、活発化する動きに注目が集まる。



鶏声人語

有機畜産物を指定農林物資に格上げ

 有機畜産物が非指定農林物資から指定農林物資に格上げすることがほぼ決定した、との情報が流れる。仮にこの情報が正しいとするならば、歓迎すべき制度改正となる。指定農林物資に有機畜産が格上げされることになると、JAS 法に基づき第3 者認定機関が認定した商品以外に有機、Bio、オーガニックの表示ができなくなり、違反した場合には表示法違反となり、法による懲罰が下ることになる。とくに卵の世界で表示が乱れているだけに流れが改善される。今までJAS 法に基づき認定を取得してきた事業者にとってプラスになることは間違いのない事実である。有機JAS の認定機関によると、畜産を認定できる機関は数団体しかないだけに検査員の養成を始めたところも出てきたという。あまり法の縛りで産業を弱体化はしてもらいたくはないが、最低限の法整備は必要である。さらにクローズアップされているのが、有機JASとGAPの問題で、本質的に異なるが、行政の世界ではGAPが力を増している世にあって、疑問を感じたならば異議を申し立てる必要がある。食品の安全と安心とは意を異にすることを関係者は理解しなければならない。また、畜産界にはAW 問題を抱えているだけに流れを直視する必要性がある。