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創刊1924年(大正13年)、通巻1000号を超えた鶏の専門誌!
鶏声人語

雇用先が無くなることは
村社会が消えること

 採卵業界の再編成が静かに進む。その流れは、大規模生産者を中心とし、合併予備軍は数か所あるといわれる。この背景にあるものは、人的問題と4 年間にわたる好相場によることが大きいと見る向きが強い。合併する背景には、経営者の経営環境を見る目と経営者の心理的要因が大きいと。先日、関東地区では古くから養鶏経営を営み廃業に踏み切った経営者と会い胸の内を聞いたところ次の返答があった。後継者を関西の有名私大に入れ、卒業後に家を継ぐことを期待していたが、一言「継ぐ意志は無くなった」。この一言により経営者は腹をくくったと。腹をくくるまでには編集子に言えぬことが数多くあったことだと思う。家族会議を何回となく行い、最終結論が廃業で他社との合併ではなかったという。中小規模生産者の生き残る環境は年々厳しさを増し、特色ある経営体以外に将来的には生き残れない。ローカルスーパーはいたる所で廃業ないしは大規模生産者に"島" を取られ、最終的には玉の行き場が無く、営みを止めざるを得なくなる現実がある。資本の論理からいえば当然のことであるが、村社会にとっては、雇用先が一つ無くなり、村の光が消えて行く。

「鶏の研究 2020年4月号」 目次

鶏声人語

有機畜産物の指定農林物資化
遅すぎた春

 畜糞の認定について有機JAS認証機関が検討に入り出したという。関係者によると海外の状況について情報収集に入り、具体的な動きを取り出したとも。有機畜糞の認定商品がEUでは市場に出回っており、編集子がイタリアを訪問した時に、有機農産物の圃場に認定された畜糞を散布するのは当然のことで、日本ではどうなっているのかと質問された時、閉口した。わが国では、畜糞の認証の言葉すらなく、このまま推移すると、有機農産物は市場から消える危険性すらあると感じたのは編集子の浅学のためだったのかと。一方、有機種子も同様で、畜糞よりも早くから認証された種子が市場に出回っており、わが国では、今まで検討すらされず、関係者によると、やっと検討することを考え出した段階だという。有機畜産物が今年7月から指定農林物資になるだけに、有機畜糞の市場出回りは数年いや数十年先になるのかもしれない。有機種子の認証は、種の保存の観点からも早急に検討すべき時期に来ている。

「鶏の研究 2020年3月号」 目次

鶏声人語

環境問題はエゴにより空洞化

 令和元年から令和2年へ、時はパラオリンピック、オリンピック開催の年を迎えた。裏を返せば世の中はなにかにすがろうと一喜一憂する。オリンピック後には大阪万博さらには国内に3 か所設けられるリゾート型とばく場建設へと多くの問題を含みながら、時は進む。無資源国日本が将来的に安定的に進む道は、スクラップアンドビルドによる建設への投資以外に道は無いと。なんともおかしな話である。すなわち、建物が資源であり投資の対象となり、活性化の道だと。つきつめるとその資源の元は他国から輸入された素材である。環境破壊は着々と進む。環境破壊は人間の手によっておこなわれるものと自然の猛威によって発生するものに分類される。自然の猛威によって生じるものは終わりが無く、破壊力は大きい。昨年の15 号、19 号台風による被害はこれに相当する。自然の力による破壊は年々拡大する傾向にあり、世界規模で被害は及ぶ。この流れに対し、国連では検討が進められているものの、自国主義者によって環境問題は空洞化し、被害が表面化しても何の手を打つことができない。次の世代へ負の遺産を残してはならないと、良く耳にする言葉であるが、なかなか行動に移せない。自然の猛威は“ 食” にも当然影響を及ぼす。“ 食” に関して各種法律は施行されるが、元の問題を解決しないことには“ 空” だけが舞う。

「鶏の研究 2020年2月号」 目次

鶏声人語

2020 年は終末処理の解決が鍵

 2020 年の養鶏界は鶏糞問題に始まり、鶏糞問題で終るとは業界人が異口同音に言う。住民とのトラブルは各地域で発生し、法的には問題解決をしているが、抜本的問題解決には至っていないのが実情である。各種情報が編集部に入って来るが、問題解決に至っていない。今後わが国で養鶏経営をおこなって行く上で業界が取り組んでいかなければならない最重要課題は、鶏糞処理と廃鶏処理問題である。すなわち、終末処理を抜本的に解決しなければわが国の養鶏はオーバーな言い方をするならば幕引きを余儀なくされる。地域社会における養鶏業界の雇用は上位にランクされているだけに、養鶏産業のあるべき道を業界全体で検討すべきである。鶏糞の輸出先であるベトナムを中心とする東南アジアでは、受け入れを拒否するところも出て来た。一方、廃鶏においても同様の傾向にある。廃鶏の輸出は鶏糞の輸出と違い、国内で鶏インフルエンザが発生するとストップをかけられる事実がある。養鶏業界の規模が拡大すればするほど問題は深刻化する。両部門とも、東南アジアを中心に構成されているとするならば本質的問題解決にならない。

「鶏の研究 2020年1月号」 目次
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AW問題への質問が多い令和元年の動き

 時代の反映なのか最近多くなった質問内容がアニマルウェルフェア問題で①アニマルウェルフェアは、人間にとって真に重要なのか②消費者団体の一部の人達はアニマルウェルフェアについて理解しているのだろうか、一般消費者はどうなのか③家族、従業員からアニマルウェルフェアで飼育生産された玉子は〝安全〟なのかと問われた時に〝安全〟と〝安心〟のどちらを答えれば良いのか、またその論拠と裏付けは④わが国のアニマルウェルフェアの推進団体と各団体の性格等々多岐にわたる。また、今年の後半位からSDGs- - 持続可能な開発目標- は業界にどの様な型で影響を及ぼそうとしているのかといった質問も上がって来る。10 月の声を聞いて一番多いのが、台風15 号及び19 号の養鶏界の被害状況はといった相場へ直接影響を与えただけに注視しているようだ。また、商品相場に直接影響を与えただけに先行きに期待感を持つ生産者が多いことも事実である。低迷相場で終わることが予想されてただけに今回の台風は、泣きと笑いをわけた型となった。2019 年も終わりに近づいて来ただけにこれからの動きに視線が集まる。


鶏声人語

自然災害後の養鶏産業、第1次産業の域を出ない 

 台風15 号は養鶏主産地千葉県の農業、畜産業に多大な被害を与えた。養鶏関係では鶏舎関連施設の倒壊等の他に停電による第2 次被害の発生、さらには従業員の家屋が被害を受け勤務先への通勤が不可能といった予想以上の被害を被った。被害の状況は徐々に明らかになってはきたが、全体を通しての情報は未収計の状況下にある。情報収集の前に現状復帰作業に追われているのが実情。この世は非情というか皮肉なことに自然災害発生後に相場は上伸する。過去数年間の流れを見ると、鶏インフルエンザの発生後の養鶏と台風による被害後の業界で上伸した。第1 次産業の宿命なのかもしれない。自然災害は地球温暖化の影響を受け、その被害はより拡大し被害を被らない地域はないといっても過言ではない。個人の力だけでは対応できないぐらいに自然災害の規模は拡大する。経験値だけでは解釈できなくなったことを、今回の15号台風は教える。

鶏声人語

着実に前進するJAS
次の一歩がまた始まる 


8月上旬、東京・新宿でオーガニックの展示会が開催された。今年は会場の都合上展示会への参加者は、事務局発表では約18,000 人とのこと。参加者で目についたのが若い世代で着実に増え世代交代の波が押し寄せていることを肌で感じた。また、有機農産物、加工食品、畜産物等有機認定商品の数が大幅に増えたことに驚きであったと同時になかには首をかしげたくなる商品も散見できた。オーガニックコスメ、オーガニックコットン等有機JAS 商品とは異にするものも数多く出展され、若い層を中心に参加者が多かったのも事実である。一方、有機JAS 商品を買いに来ていた中高年の女性に取材したところ、「この様な展示会に来たのは初めてで、大豆アレルギーが強く、アレルギー源のない商品を捜しに来たところ、見つけることができた。もっと有機JAS マークのついた商品をマスコミに情報を流すべき」といった声もあり、知らぬ恐さを肌で感じた。JAS法が改正され、新たなJAS規格が誕生するなど「JAS」は消費者、産業界にとって目が離せなくなった。


鶏声人語

このまま進むと需給失調はさらに進む

 業界の誰もが平然と云う。現在の相場を迎え入れたのは、だれの責任でもなく養鶏家いや人間の欲の結果であると。低迷相場が来ると分かっていても欲を抑えることのできない事実。いや、羽数こそ命とでもおもっているのかもしれない。わかっているけど止められない何かがある。歌謡曲の詞であるならば笑っていられるが…。経営になると別の問題。ここに来て後半はさらに一段下げもといった声も入る。誰が喜ぶかである。末端価格は下がらず強含み価格で店頭にならぶ。力あるものが勝つとは世の常識なのかもしれないが、非常識さがもとめられる今日今頃である。資本論理だからでは説明できない人間の何かが奥に横たわるような気がする。寡占化が進む業界にあって、昭和38年の総合農政施行時を思い出す。国の養鶏施策によって今の産業が成りたって来たことを。急激に進む老人社会を迎え、人口減少のまっただ中にいる日本。今のままで進むともっと大きな需給失調を迎えるとは天の声である。

鶏声人語

養鶏界の構造変化を見抜くべき

採卵鶏生産者の倒産並びに廃業情報が6月後半の声を聞き急に増えてきた。一番多い階層が中核農家といわれる10~30万羽クラスである。家族経営並びに小規模生産者は、独自の販売方法で生き残りの道を探り強い経営を行っている。小規模生産者並びに特殊な販売形態を取る生産者以外で強い経営体は、関係者の声をまとめると、過去4年間の高相場時に、利益が出たときに施設面に再投資を行った生産者であると。また再投資イコール増羽ではないとも。過去の養鶏界では高相場にこそ廃業ではなく倒産風が吹くといわれた。現在養鶏産業は、経営者の意識と係数管理を厳しく行っている事業体こそ勝ち組に入れると。勝つか負けるかは、経営者の姿勢にあるようだ。

AW静かにホテル、流通業界に・・・・・

 業界の流れとは裏腹にアニマルウェルフェア(以下AW)への要求がホテル、流通業界を中心に静かに流れ込む。最近の動きでは、アメリカ系ホテルチェーンへ玉子を卸していた鶏卵問屋に対し、話し合いの場を設けたといった情報が流れてくる。一方では、AW普及組織が前面に出ないで、地に潜った活動し出したと。JAS法が変わり、SDGSの考え方が定着し出しただけに。食品業界は行政主導の下に急変する。

鶏声人語

廃鶏肉のウィンナーソーセージからの意味するもの

大手ハムソ-セージメーカーから廃鶏処理業者へのウィンナーソーセージに使用してきた廃鶏肉の使用を中止する旨の連絡が入ったという。その結果、廃鶏肉の行き場が限定されたとの報告が入る。この大きな理由は卵アレルギー表記に関係していると。すなわち、廃鶏肉にもアレルギー源としての表示が求められるためである。この影響を受けて廃鶏肉を利用したウィンナーソーセージの業務用需要が皆無の状況との報告もあり、その代替えとしてブロイラー肉の利用となったとも。廃鶏肉のウィンナーソーセージ活用中止はただでさえ消費が冷めている業界にボディーブローをたたき込まれたと言っても過言ではない。廃鶏業者曰く「この問題は廃鶏業者だけの問題ではなく採卵業者への影響も大きいだけに問題は深刻である」と。採卵業者にとって無視できないだけに、代替商品の開発が可及的速やかに求められる。”飽き”が早いわが国民次の商品を打ち出すことは”生きる”ための闘いでもある。

鶏声人語

〝美しき調和〟と 〝欲〟との斗いか 
平成から令和へ


 平成から令和に変わり新元号を迎えた。一方、業界は同じパターンを繰り返す。年内の大手を中心とする生産者の増羽は止まらず、その裏では10~30万羽クラスの生産者が業界から身を引く動きが、業界関係者の間から伝わってくる。一方、アニマルウェルフェア(以下AW)の動きは表面的には鈍いように映るが、着々と業界に侵透する。昨年後半ぐらいから、小規模生産者を抱き込むような形で静かに入り込む。外国系動物福祉団体は過激な行動を取らず、先を見据えた活動を幅広い形で展開する。その反面、AWの否定論者の動きは遅い。戦略の差なのか不明であるが。一方では、大手生産者の中にはAW委員会を社内に設け独自の行動を取る。平成から令和へ、激動の時代を迎えるのか、それとも品格ある平和な時代を迎えることができるのか、その鍵は大手生産者の〝欲〟との斗いである。美しき調和とはほど遠い現実。

鶏声人語

行き場のなくなった玉はバッタ屋へ
遠くへ遠くへと玉は流れる


 平成30 年度の成鶏更新・空舎延長事業は、平成31年3 月31日をもって対象となる成鶏の出荷期間が終了した。この後は卵価安定基金へとスイッチされるわけだが、厳しい風は吹き荒れる。年間生産量は通常ならば250 万トン、それをオーバーした270万トンとなると、約20トンの玉の行き場がなくなる。これをどこでどうやって処理するのか、注目が集まるところである。これはブロイラーも同じである。産業廃棄物とし出荷するのか、バッタ屋に依頼するのか等々…。現実にバッタ屋に玉は流れ、遠方で販売されているといった情報がある。バッタ屋は今までになく強気の商いをするとも。また情報が独り歩きし、より具体的な親雌業者の在庫トン数まで耳に入る。国内が最悪な状況になっている折、日鶏協ニュースによると、「2 月に日本から輸出した鶏卵が台湾で実施した残留農薬検査で基準値をオーバーしたために輸入差し止めとなった」「問題となった農薬はワクモ駆除に使用されているもので、輸出相手国の残留農薬基準をクリアできない」と。活路を求め海外への輸出となったものが裏目に出る現実。国内の生産過剰と海外の輸入差し止めとなると、業界の先がますます見えなくなってくる。


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科学的論議が求められるAW 問題

 アニマルウェルフェア(以下AW)の海外機関による国内への浸透が静かに進行している。その団体に協力する業界関係者もいるといわれ、隠れ…ならぬ隠れAW同調者が増えているとも。AWは大動物の世界にも新たな動きが出ており、畜産専門大学の研究者によって認定機関が立ち上がり、大家畜の認定を取得した生産者もいる。大家畜の後は中小家畜への認定へ進むと当事者から直接話を聞いた。業界はアンケート調査、行政への働きかけを活発化している。各種動きは加速化すると見られるが、加速化するAW問題に対し科学的な論議が求められている。科学的論議は民主主義の根幹をなす。

活発化する畜産展示会、産業のバロメーターに

 中小家畜の祭典・VIV Asiaがタイ バンコクで開催される。動員数、出展社数共に過去最高を数えるとも。日本国内においては昨年IPPSが名古屋で開催された。展示会の規模はその産業のバロメーターといわれるだけに、活発化する動きに注目が集まる。



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有機畜産物を指定農林物資に格上げ

 有機畜産物が非指定農林物資から指定農林物資に格上げすることがほぼ決定した、との情報が流れる。仮にこの情報が正しいとするならば、歓迎すべき制度改正となる。指定農林物資に有機畜産が格上げされることになると、JAS 法に基づき第3 者認定機関が認定した商品以外に有機、Bio、オーガニックの表示ができなくなり、違反した場合には表示法違反となり、法による懲罰が下ることになる。とくに卵の世界で表示が乱れているだけに流れが改善される。今までJAS 法に基づき認定を取得してきた事業者にとってプラスになることは間違いのない事実である。有機JAS の認定機関によると、畜産を認定できる機関は数団体しかないだけに検査員の養成を始めたところも出てきたという。あまり法の縛りで産業を弱体化はしてもらいたくはないが、最低限の法整備は必要である。さらにクローズアップされているのが、有機JASとGAPの問題で、本質的に異なるが、行政の世界ではGAPが力を増している世にあって、疑問を感じたならば異議を申し立てる必要がある。食品の安全と安心とは意を異にすることを関係者は理解しなければならない。また、畜産界にはAW 問題を抱えているだけに流れを直視する必要性がある。


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廃鶏業者が悲鳴

 廃鶏業者が悲鳴を上げている。入荷は大幅に増加しているものの肉が売れないと深刻な声が…。この傾向は昨年の12月頃から顕著に表れだした。廃鶏業界全体から見ると限界に来ていると。この傾向は卵にもいえることで、生産者も今までの姿勢を改め、時代に即した考えを大規模生産者が導入しないと産業全体にマイナス効果が表れる。製品安の原料高で推移している状況下、先行きを見た場合、結論が出ている。業界内部で語られていることは、1,500 軒(採卵鶏生産者)に何年後でなるのかといったことである。増羽者からよく耳にする言葉は、どこどこが引き取り先があるから心配はないと。本当であろうか。入って来る情報は否定する内容が多いが、特別な売り先があるのであろうか。

東南アジアからの問い合わせ増加

本誌の姉妹誌で東南アジア向けに2 年前から発行しているJAPAN POULTRYRESEARCHへの問い合わせで最近とくに多くなっているのが、わが養鶏業界の実情と実態を知りたい旨の連絡。わが国から海外の情報発信がほとんどなかっただけに、これからの活動に焦点が集まる。東南アジアの養鶏界の夜明けはこれからといったところ。

鶏声人語

外国人労働者の受け入れ拡充による業界への動き

 2019 年は〝余剰〟で始まるとは業界の言葉である。泣き相場で越年し、このまま推移すると採卵鶏農家戸数は2,000 戸を割るとも。人口も大幅に割るという統計数値がある反面、その減少部分を出入国管理法改正により外国人労働者の受け入れ拡大に向け在留資格を創設する。その法律は人材確保が困難な産業を対象に外国人労働者を受け入れるというもの。配偶者や子供の滞在も可能といわれる。関係筋によると早くも、外国人労働者をターゲットにした職種もあらわれており、卵、ブロイラー消費に多大な期待が持てるといった声もでている。東南アジアへ進出している生産者のなかには現地の食生活を専門家を派遣し、調査を開始しだしたところも出て来た。
鶏糞の処理と廃鶏処理が今後の業界を左右すると各機関から声があがっている。鶏糞の処理については東南アジア、その内ベトナムへの輸出が中心となっている。一方、廃鶏についても増羽分の鶏の処理がこれからの大きな課題といわれる。一説によると来年1月末まで処理予約が入っており、スポットものを取るところはほとんど無いとも。ともに川下りの部分だけになんとかなるようでならないのが実態だと。ここにも労働者問題が横たわる。


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神風は吹くのか。1%原則を

 2018 年は大きな養鶏関連のイベントがわが国で催された。その一つは3 年に1度開催される国際養鶏養豚総合展であり、残りは鶏卵を中心とするフォーラムである。その内の一つが国際鶏卵会議のIEC 京都大会であり、残り一つが国際たまごシンポジウムin 京都で、各イベント共予想を上回る参加者であった。国内の鶏卵相場は、昨年までの高相場とは打って変わり、秋風が業界に流れ込んだ。神風が吹くことに期待する向きもあるが、統計数値は冷たく神風を吹き返す。神風を期待するならば、1 %の原則を忘れてはならない。

予想を上回るスピードでAWは進む、英国を訪問して

 アニマルウェルフェア(AW)問題について本誌と臨時増刊号鶏の研究の両誌で世界の流れを深く掘り下げて来た。9 月にはアニマルウェルフェア先進国イギリスとドイツを訪問し、科学的根拠に基づくAW について、EU で影響力を持つアニマルウェルフェア団体からレクチャーを受けた。また、AW の基準をベースにした投資機関の責任者から、考え方、その実態等についてレクチャーを受ける等、世界の流れを見て来た。考え方の上でAW はここまで進んでいるのかと驚きであった。この主要な点については、9 月15 日発行の臨時増刊鶏の研究「アニマルウェルフェア」⑥で詳細に報告されている。アニマルウェルフェアの科学的根拠については原文を入手しており、時期が果れば、何らかの形で掲載する予定である。




鶏声人語

「レイヤーからブロイラーへ」AWイギリスの動き、想像以上の早さ

 弊社主催の「EU オーガニック流通視察」も回を重ねること25 回目を迎え、延べ参加人員も282名を数えた。今回はイギリス、ドイツのAWの動勢とオーガニックストアーの視察さらには畜産生産者訪問、Bio展示会(Bioハノーバー)と個性的な視察となった。AWに関しては動物福祉団体とAW基準をベースに投資を実施する団体の2機関で内容的に大変実にともなう講習を受けることができ質疑応答も実直な意見交換をおこなえた。その中で注目すべき点は「レイヤー産業からブロイラー産業へ」であった。誌面の関係上、詳細には記載できないが、ブロイラー関係者は注視する必要がある。想像以上のスピードで進むAW、科学的に裏付けをとり、発表していく姿勢に対し、わが国は…と。この姿勢に対し、恐れさえ感じた。感情的かつ感傷的なものは無いと感じたのは編集子だけであっただろうか。そこには、産業界も追い求めている〝安全〟と〝健康〟が交差する。否定のみでは前へ進めない、アクセルとブレーキが必要であることを教えられる。

情報が拡散する養鶏界

 大手生産者が3,000万羽増羽するとの情報が流れた。廃鶏処理業者に意向打診もあったと。既存の処理場が処理できない場合には2か所に処理場も新設するという。現廃鶏業者の状況から見ると天と地がひっくり返える位の話題である。情報の元は一つであるが、拡散するだけに取扱いは慎重にである。



鶏声人語

国際鶏卵研究会の開催は業界へ好影響を与える

 本誌10月号が発行する9月15日の前に、IEC京都大会が開催(9日~13日の5日間)される。世界各地から250名(日本人は除く参加数)強の世界の養鶏関係者が参加する一方、10月15日~17日には「国際たまごシンポジウムin京都」が催され、京都へ国内を中心に海外の養鶏関係者250名強が集まるという。産業規模の拡大と共に世界の流れを直接確認することができる。学会とは異にする。産業界にとってプラスになる内容を直接確認、得ることができるだけに注目される。このような国際会議がわが国で開催されることは業界の質的向上に繋がるだけに期待したい。国際会議が催されることは学会にも良い刺激を与える。産業界に良い影響を与えることは、研究者への資金的流れにも好影響を与える。

勝つか負けるかは己が決める時代に

 超大手生産者が関西地区のスーパーチェーンを買収した。業界に与える精神的影響は大きく、中クラスの若手経営者の間から恐怖を感じるといった声が届く。業界の流れは弱肉強食であると同時に頭脳経営が求められている。勝つか負けるかは人様が決めるのではなく、己が決める時代に入った。

鶏声人語

予想しなかった動きが産業界に
人間の〝感情〟とアニマルウェルフェア


 西高東低の卵価構成。自然界の力を嫌というほど見せつけられた7 月。人間はある程度環境を自分の意志でコントロールすることができるが、家畜は人の手を借りなければコントロールできない。そこには自分の意志は存在しない。いや、存在という言葉すらあり得ない。無意識では産業は成立しない。環境をコントロールし、生き物に対する科学的解析を行い、産業動物として人のために結果を出すことが、家畜となるわけだ。最近の流れは、そこに相反する考え方、すなわち、〝可哀想〟という感情が生じ家畜にも人権ならぬ〝畜権〟、〝動権〟があるとの立場から〝動物愛護法〟があり、動物福祉の考え方が主要国の中に横たわる。これも基本的には、人間側からの発想である。経済動物とは人間の感情を殺し、経済第1 主義でなければ、産業として命あるものは成立しない。最近ヨーロッパの関係者の中からアニマルウェルフェアを科学的立場から解析し、指導する組織が現われ、それを構成するメンバーの多くが獣医師であると。世の中は変化する。それは周りの力によるものなのかもしれないが…。予想しなかった動きが産業界に入りだした。